ボブ・ディランが製作、巨大な鉄のアーチ門をメリーランドで公開

ボブ・ディランは、"ポータル"と題された巨大な鉄の構造物を作成した。メリーランド州のMGMナショナル・ハーバーのカジノで常設展示される。(Photo by John Shearer)

"ポータル"と題された26×15フィートの構造物を、メリーランド州のMGMナショナル・ハーバーのカジノで常設展示。

ボブ・ディランは過去50年にわたり、演技、監督、絵画、そしてボクシングにいたるまで、音楽以外にもさまざまな分野を追求してきた。彼の情熱の、これもまた意外な方向のひとつに、巨大な鉄製の門の彫刻がある。こうした作品は2013年、ロンドンのハルシオン・ギャラリーで初めて公開されている。今回新しく作られ、"ポータル"と題された26×15フィート(約8m×4.5m)の特製のアーチ門は、年末に一般公開されるメリーランド州のMGMナショナル・ハーバー・カジノで常設展示される予定だ。

「門というものが私にアピールするのは、ネガティブな空間をもたらすものだからだ」とディランは声明で述べている。「閉めてしまうこともできるが、同時に、季節やそよ風が入り込んで流れてゆくことを許すんだ。門は人を締め出すこともできるし、閉じ込めることもできる。ある意味、そこには違いはない」。

ディランのユニークな彫刻は、農具や子供の玩具、車輪、斧、歯車、アンティークの銃など、そのときどきに発見された素材と結合している。「ディラン氏は間違いなく我々の時代の最も偉大な音楽家の1人ですが、彼のすばらしい金属製の彫刻は、彼の豊かな創造的才能と、素材を超越する能力を証明するものでもあります」とMGMリゾーツ・インターナショナルの会長兼CEO、ジム・ミューレン氏は話す。「MGMもエンターテインメント企業として、そのエネルギーをさまざまな分野に振り向けるアーティストから、我々は深く感銘を受けています。我々は、この感性を揺さぶるリゾート体験を高められるよう、ディラン氏と協業し、その彼のビジョンがMGMナショナル・ハーバーのヘリテージ・コレクションにもたらされることを誇らしく感じています」。


photo by John Shearer

ディランは、1968年ザ・バンドのアルバム『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』と、1970年の自身の2枚組アルバム『セルフ・ポートレート』のカヴァー・アートを描いたが、彼のプロとしてのキャリアのほとんどを通じて、彼のアートワークは私蔵されたままだった。だが、近年、彼は自分の作品を世界中のアート・ギャラリーに展示することを許し、2007年ドイツのケムニッツの美術館で“The Drawn Blank Series”を、2010年コペンハーゲンの国立美術館で“Brazil Series”を、2012年ニューヨークのガゴシアン・ギャラリーで“Revisionist Art”を展示している。

ボブ・ディランのネヴァー・エンディング・ツアーの最新のレグは7月7日にニュー・ハンプシャー州ギルフォードで幕を閉じた。ツアーの再開は10月7日、カリフォルニア州インディオで行われるデザート・トリップ・フェスティバルとなる。デザート・トリップには、ザ・ローリング・ストーンズ、ニール・ヤング、ポール・マッカートニー、ロジャー・ウォーターズ、ザ・フーと共に出演しギャラを分かち合う。ディランはそこから、11月23日のフロリダ州フォートローダーデールで幕を閉じるまで全米中を演奏して回る予定だ。ディランの来年の予定は、現時点では明らかではないが、メイヴィス・ステイプルズがローリングストーン誌に語ったところによれば、ディランはステイプルズに新曲を贈り、近く、彼女と一緒にレコーディングをしたがっているという。

Translation by Kise Imai

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