様々なトラブルを乗り越えたラッドだが、AC/DCへの復帰に心から望んでいるというわけではなさそうだ。アクセル・ローズをヴォーカルに迎えて現在アメリカツアー中のバンドを、ラッドはAC/DCだと認めていないという。「アンガスが望むならバンドに戻るつもりさ。でもアクセル・ローズと一緒にステージに立つのはごめんだ」ラッドはそう話す。「俺はやつのことを評価してないんだ」
過去のラインナップも含め、AC/DCのメンバーが健康面のトラブルに見舞われたのは今回が初めてではない。難聴を訴えていたシンガーのブライアン・ジョンソンは、聴覚の完全喪失の懸念があるとされ、今後ツアーに参加しないことを表明している。またギタリストのマルコム・ヤングは2014年に痴呆症を発症し、バンドを脱退している。
現在のAC/DCが置かれた苦しい状況も、ラッドにバンドへの復帰を思いとどまらせる可能性もある。ベーシストのクリフ・ウィリアムズは、7月にこう発言している。「40年にわたって彼らと時間を共にしてきたが、俺は今回のツアーを最後にツアーとレコーディングの両現場から退くつもりだ。マルコムが抜け、フィルとブライアンをめぐるトラブルを経験したこのバンドは、もう俺の知っているAC/DCじゃないんだよ。直感的に今が引き際だと感じてるんだ」