パンクとEDMの融合:スティーヴ・アオキとBlink182のコラボ曲を聴く

DJスティーヴ・アオキ(左)とおふざけ好きポップパンク・バンドとて人気を誇るBlink-182(右)

DJ界のスーパースターが、ポップ・パンクの3人組のアルバム『カリフォルニア』のシングル『ボアード・トゥ・デス』に、EDM要素を注入した。

ケーキ投げ好きなパーティ・モンスターとして世界に名を馳せるDJスティーヴ・アオキと、おふざけ好きポップパンク・バンドとて人気を誇るBlink 182。別々の音楽の世界に属しているように思える彼らだが、ビルボード・チャートで首位を獲得したBlink 182の最新アルバム『カリフォルニア』からのリードシングル『ボアード・トゥ・デス』を、スティーヴ・アオキがリミックスし、コラボレーションを実現させた。

リミックスでは、キャッチーなコーラスの後に、スティーヴ・アオキの驚異的なEDMグルーヴが加えられている。リミックス・バージョンのミュージック・ビデオは、曲のストーリーを物語る、高校生の日常と小さなクラヴでパフォーマンスするBlink 182の映像が組み合わさった『ボアード・トゥ・デス』のオリジナル・ミュージック・ビデオのカットに、音楽フェスティバルで大勢の観客を前にDJするスティーヴ・アオキの映像が組み込まれたものになっている。

今回のコラボレーションをスティーヴ・アオキは、20年もの間待ち望んでいたという。

「当時は大学生でね。96年から97年は、UCSB(カリフォルニア大学サンタバーバラ校)の2年生だった年。ヴィーガン仲間と住んでた大学寮で、ルームメートが『チェシャー・キャット』を爆音でかけてたんだ」。スティーヴ・アオキは、こうローリングストーン誌に語る。「それが、俺とBlink 182との出会いなんだ。彼らの曲の歌詞は一番共感できて、口ずさまずにいられなくて。本当にクールな男たちだし、作品に全力で取り組む人とスタジオで作業することが、俺は大好きでね。友達になる前から、長いことファンだった。2010年に、トラヴィス・バーカーとコラボするチャンスが飛び込んできた時、たくさんコラボ曲を作ったけど、どんな形でもBlink 182とコラボすることが、俺の長年の夢だったんだ。彼らがこのアルバムに取り掛かってることを聞いた時、俺は、フェルドマンのスタジオに一緒に入ってコラボしないとって感じで。最初に手に入れることができたのが『ボアード・トゥ・デス』のステムだったから、そのリミックスにすぐに取り掛かったんだ。ニューアルバムのどの曲も、かなり好きだね。全曲リミックスしようかってぐらい、好きなんだ。俺のショーで、若い子たちがこの曲に熱狂できる、楽しくて熱いドロップを作りたかった。このドロップが、俺のステージの中で最高の瞬間だってことは間違いないし、その瞬間にこれでもかってぐらい盛り上がってほしい。世界中の公演でこのリミックスを披露してるけど、毎回曲を止めて、Blink 182が俺の一番好きなバンドの一つだってことを、観客に教えてるんだ。だって、マジでそうだから」

一方のBlink 182も、スティーヴ・アオキとのコラボレーションに興奮を隠しきれない様子だ。

Translation by Miori Aien

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