6位『The Blank Generation』(1976年)

1976年、ニューヨークのCBGBは、テレビジョンやトーキング・ヘッズ、ブロンディー、ラモーンズ、パティ・スミス等、先鋭的なアーティストたちが集い、独自の音楽を生み出す実験的空間となっていた。エイモス・ポーとイヴァン・クラールが監督を務めたこの16ミリの白黒映画は、練習という名目で集まりながらダラダラするメンバーたちの姿や、これぞパンクと言いたくなるお粗末な演奏に興じるバンドの姿が収められている。(注釈:本作はアンディ・ウォーホルがプロデュースを手がけ、リチャード・ヘル・アンド・ザ・ヴォイドイズが主題歌を歌った1980年作『The Blank Generation ブランク・ジェネレーション』とは異なる)DF


5位『レポマン』(1984年)

パンクとSFが融合した怪作。エミリオ・エステベスの俳優キャリア史上最も異色なキャラクターのひとつであろうオットーは、ロサンゼルスの仲間たちとスラムダンスに明け暮れる日々にうんざりし、バドという名のレポマン(白髪交じりのハリー・ディーン・スタントンが演じている)と共に車の窃盗に手を染めるようになるが、いつしか宇宙人をめぐる政府の陰謀に巻き込まれてしまう。監督のアレックス・コックスが監修したサウンドトラックには、ブラック・フラッグ、スイサイダル・テンデンシーズ、フィアーといった後にブレイクするバンドが数多く参加しており、荒廃したカリフォルニアというイメージを浮かび上がらせてみせる。とはいえ、やはり本作のハイライトは思わず首を傾げたくなるサークル・ジャークのカメオ出演だろう。タキシードに身を包んだ名もないラウンジバンドとして登場する彼らが自身の『ホウェン・ザ・シット・ヒッツ・ザ・ファン』をカヴァーするシーンでは、キース・モリソンがスキャットを披露している。EGP


4位『Rock and Roll High School』(1979年)

2003年作のドキュメンタリー『End of the Century』は、ラモーンズが経験した様々な紆余曲折をあますことなく描いていた。しかしロジャー・コーマンがプロデュースを手掛けた本作では、彼らの愛すべきユルさ、そして美学と呼ぶべき単純さの魅力に触れることができる。ジョーイ、ジョニー、ディー・ディー、マーキーの4人は、P・J・ソールズとヴィンス・ロンバルディ高校の生徒たちと共に、3コードを武器に不条理に満ちた権威に立ち向かう。子供たちが一緒に歌えるようにと、『ティーンエイジ・ロボトミー』の歌詞を表示する計らいも実に粋だ。ジョーイがヒロインに『アイ・ウォント・ユー・アラウンド』を捧げるロマンチックなシーンは永遠に色あせることなく、タイトル曲の過激(?)にアレンジされたバージョンは、理想のハッピーエンディング・トラックだ。DF

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