オリンピックの薬物裁判、ドーピング問題の真実

カナダの元連邦判事でソチでも判事を務めたロバート・デカリーは、あるオーストリア人スキー選手がオリンピック代表チームに加わるべきだったかどうかの決定を求められたことを回想する。デカリーはソチでこの訴えを処理し、アスリートはオーストリアでロシアへ向かう最終便への搭乗を待っていた。彼は彼女に不利な裁定を下した。


「選手の運命を決めるときはいつも緊張が高まります」とデカリーは語った。そして続けて「ましてや、選手がオリンピックに参加する機会を拒絶する場合はなおさらです」とコメントした。


CASの公聴会は極めて個人的だ。ロサンゼルスのスポーツ弁護士で異なる5つのオリンピックでアドホック部門の判事を務めたマイディ・オリヴォーは、彼女が運命を決定する選手たちのことを考えると、心が痛むと語った。

「選手たちは競争心が強く、恐らく勝つためにできる限りのことをやっています」とオリヴォーは語る。

シドニーオリンピックの後、オリヴォーは金メダルを獲得したルーマニアの体操選手で、ドーピング検査で禁止されている興奮剤プソイドエフェドリンの陽性反応が出たアンドレーア・ラドゥカンの事例を決定するよう求められた。ラドゥカンは当時16歳であった。

「麻薬常用者というのは、あなたが思い描いているようなものではありません」とオリヴォーは語る。その後「同僚の一人が私に言いました。もし彼女のことを、200ポンドの重量挙げ選手として想像した場合には、それは役立つかもしれないと」と続けた。

Translation by Yuka Ueki

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