ポール・マッカートニーが語るライヴ前のサウンドチェック・ショー:「これはマッカートニー族の儀式だ」

DAVID FRICKE | 2016/08/19 12:00

| ツアー中の慣例となっているサウンドチェック・ショー。セットリストは毎晩変わる。ポール・マッカートニーもお気に入りのこの時間について語った。(Photo by David Wolff - Patrick/Redferns) |


『レディ・マドンナ(原題:Lady Madonna)』のみが、その晩のコンサートでもプレイされた唯一の曲だった。「サウンドチェックでやっていることはすべてルーチン化していて、儀式のようになっているんだ」と、サウンドチェック後のバックステージ・トレーラーでマッカートニーは語った。74歳(2016年8月現在)になる今でもステージに立ち続けるロック・アイコンは、このルーチンを楽しんでいる。2016年7月に2度に渡って行ったインタビューで、マッカートニーは、芸術であり喜びでもある人生をかけたパフォーマンスについて熱く語った。イングランドとフィラデルフィアで行ったローリングストーン誌の独占インタビューは、かつてないほど有意義なものだった。インタビューは、マッカートニーの所有するMPLコミュニケーションズ社のロンドン本社内のオフィスから始まった。

ービートルズがツアーを止めてから50年が経ちますが、バンドの広報担当者だったトニー・バロウが撮影したキャンドルスティック・パークでのファイナル・コンサート(サンフランシスコ 1966年8月29日)の録画テープに一体何があったのでしょうか?バロウが自分用にコピーを1本だけ保管し、オリジナルはあなたに渡した、とされていますが。

いったい何がなんだかわからない。我々がそれを持っていたということ自体に驚いているんだ。(MPL社の)保管庫でスタッフが「これを見てください!」と呼んだので、行ってみたんだ。思わず「おお!これはどこから来たんだ!?」って叫んだよ。きっと誰かが保存していたんだろうね。でも、詳しくはわからないんだ。

ーバロウがあなたに渡したテープを聴いたことはありますか?

聴いたかどうか覚えてない。だからきっと聴いてないんだろうね。

ーなぜこの質問をしたかというと、今回のツアーでは、ビートルズが最後のツアーを行ったスタジアムでもコンサートを行いますね?結局そのツアーがビートルズのファイナル・ツアーとなりました。

キャンドルスティック・パークでのファイナル・コンサートに関して言えば、その時にバンドはもうすべてをやり尽くしていたということだろうね。雨でずぶ濡れのステージにひどい音響、僕らの演奏が聞こえないほどの観客の声・・・いろいろ経験してきたけど、いい潮時だったと思うよ。「このバンドでツアーを続けるべきだ」とはならなかったね。ただ、ビートルズが分裂しそうになった時点では、僕自身は続けたいと思っていた。でも知っての通りその後の有名なミーティングの場にジョンが現れ、「もうバンドを辞める」と宣言したんだ。

僕は「また最初の頃のように小さな場所でバンド活動を続けよう」って言ったんだけどね。それがビートルズの原点だったし。僕らは偉大なる小バンドだったんだ。『のっぽのサリー(原題:Long Tall Sally)』や『ロックン・ロール・ミュージック(原題:Rock and Roll Music)』、『みんないい娘(原題:Everybody’s Trying to Be My Baby)』なんかを誰かが弾き始めると、全員が乗る。そんなバンドだったんだ。その原点へ帰れば、よりが戻るんじゃないかと思ったんだけど、だめだったよ。もうちょっとだったんだけどね。(マッカートニーのアイディアは、映画およびアルバム『レット・イット・ビー(原題:Let It Be)』として実現した。オリジナルのタイトルは『ゲット・バック(Get Back)』だった。)
Translation by Smokva Tokyo

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