ルチアーノ・パヴァロッティの遺産管理団体も、パヴァロッティが愛してやまなかったアリア『誰も寝てはならぬ』の使用をトランプ氏がやめないことについて怒り心頭だ、ロイター通信によると、同遺産管理団体はイタリアから声明を発表し、対立を煽るかのようなトランプ氏のレトリックは、パヴァロッティが信ずるところとは正反対であるとしている。
「ルチアーノ・パヴァロッティが芸術家としてのキャリアを通じて表現してきた兄姉愛と団結の価値観は、ドナルド・トランプ候補が口にする世界観とは全く相入れるものではないことを、パヴァロッティの遺族として、みなさんに思い出していただきたいと願っている」と団体は語っている。
アーティストや遺産管理団体からのこうした抗議にもかかわらず、トランプ陣営は集会で楽曲を自由に使い続ける可能性が高い。6月にクイーンのブライアン・メイはトランプ氏が『We Are the Champions』を使うことを拒否したのだが、トランプ陣営ではこの要望を無視、全国大会の初日、トランプ氏夫人のメラニアさんを紹介する際にこの曲を使用した。
「我々のたび重ねての楽曲使用中止要請にもかかわらず、トランプ陣営があからさまにこれを無視し、楽曲の無断使用を続けていることにはいら立ちを禁じ得ない」と、クイーンは所属先の音楽出版社ソニー/ATVミュージック・パブリッシングを通じて声明を発表している。
「クイーンでは、自身たちの音楽が、いかなる国のいかなる主流派ないし政治的な論争にも関連付けられたくないと考えている。また、『We Are the Champions』がトランプ氏や共和党の政治観への支持であると受け取られることも望まない。我々はこれ以降、トランプ氏及びトランプ陣営がこうした要請を尊重していただけるものと信頼し、希望し、期待している」