プロト・パンクの代表的存在、スーサイドのアラン・ヴェガ逝去、享年78歳

CBGBやマックス・カンザス・シティでの挑戦的なライブパフォーマンスが話題となっていたバンドは、音楽史に残るデビューアルバム『スーサイド』を1977年に発表。後に初期パンクのアンセムとなる『ゴースト・ライダー』『チェリー』『チェ』、そして恐怖さえ感じさせる『フランキー・ティアドロップ』を収録した同作は、ローリングストーン誌による史上最高のアルバム500枚に選出されている。

スーサイドのデビューアルバムに大きな影響を受けたアーティストは少なくない。中でもブルース・スプリングスティーンは、ヴェガとレヴに惜しみない賛辞を送る。「シンセサイザーとヴォーカルだけで、彼らは素晴らしい音楽を生み出した」1984年のローリングストーン誌のインタビューで、スプリングスティーンはそう話している。「『フランキー・ティアドロップ』は、俺が最も衝撃を受けた曲のひとつだ」

スプリングスティーンのアルバム『ネブラスカ』に収録された『ステイト・トルーパー』には、スーサイドからの影響が色濃く反映されており、ヴェガは初めてこの曲を耳にした時に自身の曲と錯覚したと話している。またスプリングスティーンは、スーサイドの1979年のシングル『ドリーム・ベイビー・ドリーム』をライブで度々披露しており、2014年作『ハイ・ホープス』にはスタジオ録音されたバージョンが収録されている。スプリングスティーンはバンドへの思いをこう口にしている。「スーサイドはアンダーグラウンドを象徴する存在だ。ロックの殿堂入りすべきアーティストだよ」

デビューアルバムと『ドリーム・ベイビー・ドリーム』の成功を経て、ヴェガとレヴはリック・オケイセクがプロデュースを手掛けたセカンドアルバム『スーサイド:アラン・ヴェガ・アンド・マーティン・レヴ』を1980年に発表する。また同年、ヴェガは初のソロアルバムをリリースしている。

Translation by Masaaki Yoshida

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