シンディ・ローパーが語る、ニューアルバムと大統領選

CHAPMAN BAEHLER

ニューアルバムをリリースしたシンディ・ローパー。その新作カントリー・アルバムから、ヒラリー・クリントンに対する思いまでを語る。

シンディ・ローパーはソロアーティストになる前(つまり、ブルーのアイライナーを引いて、ミュージックビデオでプロレスラーのキャプテン・ルーと共演、『ウィ・アー・ザ・ワールド』で「ウォウウォウウォウ」とアドリブを入れる前)、ロカビリーバンド『ブルー・エンジェル』でヴォーカルを務めていた。ニューアルバム『ディトゥアー~回り道~』でカントリーの名曲をカヴァーする際、当初はそうした経験を生かしてなかったという(『ディトゥアー~』は、2010年の『メンフィス・ブルース』から始まった『ルーツを巡る旅』の続きと言える作品。ローパーは『メンフィス〜』と『ディトゥアー~』の間に、ブロードウェイの大ヒットミュージカル『キンキーブーツ』の曲も書き下ろしている)。

しかし、同アルバムのナッシュビル・セッションで悪戦苦闘、「本当に最悪」な経験をした後、ワンダ・ジャクソンの1961年の曲『ファネル・オブ・ラヴ(恋のとりこ)』にトライして、以前同じようなことをしていたと思い出したそうだ。「『ねえ、ちょっと待って!任せておいて!昔こういうのをやってた』って、さっそく取りかかったの」

―このところ、いろんなジャンルの音楽活動に挑戦されています。これにはどんな意味が?

私、ずっと取り残されてる気がしてたの。有名であることに忙しすぎて、みんながやってることが全然できなかったから。リッキー・リー・ジョーンズみたいにニューオーリンズでアルバムを作りたいけど、それすらしたことがないし。

―ニューアルバムに収録されているスキーター・デイヴィスの『この世の果てまで』のカヴァーがとても素晴らしいです。レコーディングでは、どういった感情を込めたのですか。

88年か89年頃、私がまさに『この世の果て』にいた時のことを思い出しながら歌ったの。その時はまるで、世界のすべてが崩れ落ちるみたいに感じていて。私が所属するレーベルに新人が入ったんだけど、その新入りがみんなと打ち解けた頃、私に聞いてきたのね。『何考えてんだ?なんでそんな服着てんだよ。カトリーナ&ザ・ウェイヴズみたいな格好はできないのか』って。同じ頃、フィアンセとも別れたし。みんなが知ってるプライベートなんて全部、嘘。最悪ね。

Translation by Naoko Nozawa

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