ボブ・ディランのカヴァー・ソング人気ベスト10

8位 エディ・ヴェダー 『戦争の親玉』


1992年のボブ・ディラン30周年記念コンサートで演奏したアーティストの中でダントツに若かったのが、ジョージ・ハリスン、ジョニー・キャッシュ、ザ・バンド、エリック・クラプトン、ニール・ヤングら大御所と並んで登場したパール・ジャムのエディ・ヴェダーとマイク・マクレディだった。彼らは『戦争の親玉』を見事にアコースティックに仕立て上げ、この曲がコンサートのハイライトの1つだったと称賛する評論家もいた。パール・ジャムはこの曲を2003年から2008年の間に15回演奏しているが、エディ・ヴェダーのソロ・ライヴではさらに頻繁に演奏されている。特に2008年のソロ・ライヴツアーでは、ジョージ・W・ブッシュ政権末期と重なったこともあり、大きな注目を集めた。

7位 キャレキシコ&ジム・ジェームス 『アカプルコへ行こう』


2007年のトッド・ヘインズ監督作品『アイム・ノット・ゼア』は、6人の俳優が、ボブ・ディランの人格を6つの側面から描いたものだ。この作品は少なからずの映画ファンを困惑させ、興行収入はわずか1,170万ドルに終わったのだが、サウンドトラック盤は間違いなく名作である。エディ・ヴェダー、ソニック・ユース、ウィリー・ネルソンらによるボブ・ディランのカヴァー曲が34曲収録されている。中でも品格が高いのが、マイ・モーニング・ジャケットのフロントマン、ジム・ジェームスがキャレキシコと録音した、『ベースメント・テープス』の傑作、『アカプルコへ行こう』である。ジェームスは映画にも出演し、ディランの1975~76年の『ローリング・サンダー・レヴュー』ツアーと同じ白マスクを着用してこの曲を歌っている。

Translation by Kuniaki Takahashi

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