ザ・ローリング・ストーンズ、隠れた名曲ベスト10

第9位 『スウィート・ヴァージニア』


2枚組アルバム『メイン・ストリートのならず者』の2枚目は、素敵なカントリー・バラードで幕を開けるが、覚醒剤や薬物常用を歌ったこの曲がラジオで流れることはなかった。『スウィート・ヴァージニア』は1970年の『スティッキー・フィンガーズ』期に作られ、その2年後の『メイン・ストリートのならず者』のレコーディングで正式に収録された。グラム・パーソンズがバックグラウンド・コーラスを務めたという説があるが、確証はない。この曲は、長年ライヴで人気があり、一番最近では2014年にオーストラリアで演奏されている。

第8位 『ストレイ・キャット・ブルース』


1968年、アルバム『ベガーズ・バンケット』を制作した頃のストーンズは乗りに乗っていた。『悪魔を憐れむ歌』、『ストリート・ファイティング・マン』、『地の塩』、『ノー・エクスペクテーションズ』といった数々の名曲が数ヵ月の間で生まれ、『ストレイ・キャット・ブルース』のような力強い曲が目立たないのも無理はなかった。しかも、この曲の内容は15歳のグルーピーとセックスをするというもので、今であればリリースすることもできないだろう。「君のママは、君がこんな風に叫ぶなんて知らないだろうね」ジャガーは歌う。「君がそんな風に唾を吐けるなんて、君のママは知らないだろうね」さらにヒドイことに、ジャガーはライヴ・バージョンでは年齢を13歳に変えて歌っている。

第7位 『2000光年のかなたに』


1967年のサイケデリック・アルバム『サタニック・マジェスティーズ』が計画通りにヒットしなかったことは、ストーンズが誰よりも先に認めるだろう。バンドの強みを生かした出来ではなかったし、実験には少し無理があるように感じられた。とはいえ、最後から2番目の『2000光年のかなたに』などいくつか珠玉の名曲はある。ブライアン・ジョーンズがメロトロンを弾き、麻薬で逮捕されたジャガーが刑務所で歌詞を書いたと言われている。「とにかくすごく寂しい」、「家から2000光年も離れている」とジャガーは歌う。このアルバムのほとんどの曲は40年以上放置されているが、1989年から90年のツアーでストーンズはこの曲を演奏し、2013年にはグラストンベリー・フェスティバルで再びよみがえらせた。

Translation by Cho Satoko

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