浦沢直樹が忌野清志郎を語る:「僕の人生を楽しくしてくれて、本当にありがとう」

By Joe Yokomizo 2015/02月号 P32〜33 |
©Maki Ishii
ローリングストーン日本版 アーカイヴ・インタヴュー
2015年2月号 特集「忌野清志郎、不滅の魂」

忌野清志郎、この1曲/浦沢直樹 漫画家

僕は東京の府中市で育ったので、清志郎さんと 同じ界隈にいたんです。八王子とか吉祥寺あたりで高校、大学生活を過ごしていて。だから、風景がわかるんですね。まったくもって空気がわかるし、あの頃は大学生で、明日、自分がどうなるかわからないような精神状態で。その時に、リアルタイムで聴いて、骨の髄までわかったっていうかね。当時の自分の気持ちを、「よくぞ、歌にしてくれた」と思いました。

僕らが大学2〜3年の時、79年とか80年とかだったと思いますけど、多摩美の『武道館』と呼ばれた体育館にRCサクセションが来たんです。仲間内でチケットが2枚だけあって、でも、行けば入れるだろうと、8人ぐらいで向かったんですね。ところが着いたら会場はギューギュー、そんな状況じゃない。2人以外の6人は入れない。ただ、一度入ったら腕にスタンプを押されて、それで出入りが自由になる。事前にそう考えて赤いペンを持参していたので、僕がスタンプを模写したら、みんな入れちゃってたんです(笑)。結局、人が溢れてる状態だったんで、窓から飛びはねる清志郎が見えたぐらいだったんですけどね。『20世紀少年』で関所越えをする時に、漫画家が偽の証書を作るっていうシーンは、その時の話が元なんです。とはいえ、長年、罪の意識があって、清志郎さんと会った時にそのことを話したら、「お前、悪いことするなあ」って。チャボさんにも、同じように言われましたね(笑)。
Interview and Text by Joe Lowloon(Mitsuyo Kakuta)

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