ガンズ・アンド・ローゼズの激レア・ベスト・ソング10選

『トゥー・マッチ・トゥー・スーン(Too Much Too Soon)』 

90年代初期のある時期、アルバム『ユーズ・ユア・イリュージョン』IとIIのレコーディングの準備中だったガンズ・アンド・ローゼズは、ドラム・マシンを用い、さまざまなスタイルの候補曲のデモを作っていた。惜しくもセッションから漏れてしまった興味深くキャッチ<ーなナンバーのひとつが、しゃがれ声のブギウギ・ロックンロール『トゥー・マッチ・トゥー・スーン』だ。タイトルは、明らかに、ダフ・マッケイガンに多大なる影響を与えた人物のひとり、ジョニー・サンダースに由来している。サンダースは、同じタイトルの忘れがたいアコースティック・ナンバーをソロ・アルバム(『ハート・ミー』)で録音し、ニューヨーク・ドールズのロック色の強いセカンド・アルバム『悪徳のジャングル』(原題:Too Much Too Soon)でプレイしている。この曲の、激しいパンクなギターリフとヒップホップ調のハンド・クラップとウォーキング・ベースは、ガンズ・アンド・ローゼズの魅力的な別の一面を見せてくれる。


『イット・テイスツ・グッド・ドント・イット(It Tastes Good, Don’t It)』 

ヒップホップがメインストリームに入り込んできた時代、ラップとロックの融合を目指したガンズ・アンド・ローゼズの初期の試みのひとつが、『イット・テイスツ・グッド・ドント・イット』だった。ローズはこのジャンルのファンで、「アクセル・ローズがN.W.A.のキャップを被っているのを見て、自分がメジャーになったと感じた」とドクター・ドレーは話している。『ユーズ・ユア・イリュージョン』収録の異色作『マイ・ワールド』以前、ガンズ・アンド・ローゼズが80年代後半に試みたラップへの挑戦は、幼稚だ("俺をなめやがるとお前のお袋をヤッちまうぞ"と、何の脈絡もなくローズは吐き捨てる)が、フックが効いている。この高速で騒々しいトラックは数えるほどしかプレイされていないが、『ロケット・クイーン』の間奏部分で使用されたことがある。ガンズ・アンド・ローゼズは、(両者間で諍いが絶えなかった)アイアン・メイデンのツアーのオープニング・アクトを務めた際にこの曲を初披露したが、パフォーマンスの途中でローズが喉を傷めてしまい、ツアーの残りの日程をキャンセルせざるを得なくなった。

Translation by Naoko Nozawa

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