オバマが語る最後の挑戦(後編):気候変動に立ち向かう

By JEFF GOODELL
Photo by Isaac Brekken/Getty Images for National Clean Energy Summit

―北極について話しましょう。ロシアの副首相が最近、北極を「ロシアのメッカ」と呼びました。北極圏でのロシアの軍事演習や軍事的プレゼンスの拡大、新たな冷戦の醸成が大きな話題となっていますが、ロシアが北極圏に対して持つ意図をどのように解釈していますか?


今のところ、ロシアは北極評議会での建設的なパートナーであり、他の北極圏諸国とともに対話に参加している。彼らは法に則り、北極圏での変化に対して分別あるやり方を取っている。我々と比べて国や経済の大部分が北部にあることを考えれば、ロシアがアメリカ政府よりも、ここで起きていることに対してチャンスを伺う姿勢が強く、日常的に関心を持っているのは驚くべきことではない。

私がここへ来たかった理由は、アメリカのそういった姿勢を変えていく必要があるからでもある。砕氷船についての発表は、私を含めた政策立案者へ注意喚起するのに良い例だった。この領域が変化していること、その変化は政策立案者が10年前、あるいは5年前、1年前に考えていたよりも速いことを示している。

ここ北極圏で、今まで以上に資源を確保する必要がある。海事規則や境界をめぐって南シナ海で起きた問題の再発を避けるため、ロシアを含めた他国と協力し、明確な交通ルールを定める必要もある。それは達成可能だ。確かに他の問題ではロシアと考え方に大きな開きがある。だが、イランとの協議でもそうだったように、問題を分けて考えることは可能だ。ウクライナ問題ではロシアと見解がまるっきり食い違っているが、建設的に協力していくべき分野があることには変わりない。

ひとつ心配なのは、主要石油生産国であるロシアが、気候変動に十分な懸念を持たないかもしれないという点だ。アメリカ国内であっても国民の意見が一致していないことを考えれば、ロシアのような国で意見の一致をみるのはさらに困難と考えるのが妥当だろう。それゆえ、彼らを常に科学データと向き合わせ、気候変動には航海や通商の面で好ましい面もあるが、近年で最大の森林火事で見られたように極めて悪い面もあることを明確にしていく。我々は対話を続けていかねばならない」


ロシア ヤマル半島での砕氷船(Photo by Nery Ynclan/NBC/NBCU Photo Bank via Getty Images)
Translation by Takamune Murase

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