オバマが語る最後の挑戦(前編):気候変動に立ち向かう

By JEFF GOODELL
Photograph by Mark Seliger

我々にできたのは、先進国が行動するだけでは不十分という基本原則を確立することだけだった。中国やインドなどは、国民ひとり当たりの二酸化炭素排出量は先進国に比べてはるかに小さいが、人口の多さや発展スピードを考えると、いずれこのゲームに参加しなければならない。

結果、現在はどうなっているだろうか? 我々は17%という(温室効果ガス排出量削減)目標を定め、その達成へと順調に向かっている。クリーンエネルギーの生産量は倍増した。風力エネルギー生産は3倍、太陽光は20倍になった。深刻な景気後退から経済を成長させ、なおかつ排出量を減らすことができている。乗用車とトラックの規制はうまくいっている。真のクリーンエネルギー経済がイメージできるようになった。達成は可能だ。数百万の雇用を創出して失業率を下げながら、それができている。規制によって起こるとされていた大きな問題はどれも起きていない。

我々はクリーン発電所ルールで効果を倍増させようとしている。このルールは、最も大量に排出している部門の二酸化炭素を30%以上削らすというもので、それにより全体では26~28%削減するというかなり積極的な目標を立てることができた。今や模範となって世界をリードできている。おかげで私は中国と習国家主席を説得し、彼らに初めて目標を立てさせ、インドのモディ首相やブラジルのルセフ大統領らと話し合って計画の提出を求めることもできた。

2015年の年末にパリで集まる時には、初めて責任ある立場につけるはずだ。我々はすべての国がこの問題に取り組み、有意義な目標を定め、貧しい国の努力を支援すべく資金提供しなければならないと考えるよう、促す必要がある。年末までにそれができれば、今後10年に渡り、協調しながら真剣に進めていく枠組みくらいは少なくともまとめられるだろう。用心は必要だが楽観的にみている。

ただその一方で、科学は我々の取り組みのスピードが不十分と示し続けている。しかし私の考えだと、正しい仕組みさえ作ればすべてが動き出し、アメリカだけでなく世界の人々にも改めて教育が施され、問題に対する切迫感が高まって、政治も積極的に行動を起こすはずだ。
Translation by Takamune Murase

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