ア・トライブ・コールド・クエストのファイフ・ドーグ、45歳で逝去


ファイフはATCQの5枚全てのアルバムに参加している。その中でも91年のアルバム『ロウ・エンド・セオリー』と93年のアルバム『ミッドナイト・マロダーズ』では、Qティップの滑らかでメロウな声と対照的なファイフの高いしゃがれ声のラップは、一際素晴らしい。98年のラストアルバム『ザ・ラヴ・ムーヴメント』の後に解散したATCQはその後、幾度となく再結成を繰り返した。彼らがライヴのために再結成する様子は、映画『ビーツ、ライムズ・アンド・ライフ』でも描かれているが、ニューアルバムのレコーディングにまで至ることはなかった。

また健康面の問題が、ファイフのソロアルバムのレコーディングを阻んだ。2000年の『Ventilation: Da LP』が唯一のソロアルバムとなっている。2015年11月にローリングストーン誌のインタヴューに応えてくれた際には、自信こそなさそうだったが、健康と今後のレコーディング計画について楽観的な考えを話していた。


「今状態は良いんだ。でも、良い日もあれば悪い日もある」ファイフはこう言っていた。「でもまあ、イイ感じ。だから文句は言えないんだ」また、リリースへと準備を進めていたミニアルバム『Give Thanks』のファースト・シングルとなる予定だった、J・ディラのトラックを使った『Nutshell』のリリースについても話していた。同曲の予告編動画は既に公開されているが、曲のフルバージョンは未公開のままとなった。ファイフはまた、ニューアルバム『Muttymorphosis』の制作にも取り組んでいた。「俺の人生のストーリー」の役割をするアルバムだと自身が公言していた同アルバムは、2016年後半のリリースを目指していた。




Translation by Miori Aien

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