デヴィッド・ボウイのファッションは世界をどう変えたか

Photo by Michael Ochs Archives/Getty Images

アイコニックなデヴィッド・ボウイのスタイルは、様々な世代のファンに影響を与えた。

デヴィッド・ボウイはあらゆる種類の異性装の達人だった。ジェンダーを曖昧にすることを恐れず、常に自分を作り替え続けてきた。そして生まれ変わるたび、彼の音楽とファッションを真似る若者に性別を問わず多くのインスピレーションを与えてきた。1970年、『地球に落ちてきた男』のジャケットではヴィンテージの洋服に身を包み女性のようなルックスの浮浪児に扮した。その1年後『ハンキー・ドリー』のジャケットにはグレタ・ガルボのような姿で現れた。伝説的な変容は他にもある。毛先を尖らせた赤毛に稲妻のようなのメイクを施したアラジン・セイン、ジギー・スターダストという名の過激なエイリアン、奇妙な厳格さを漂わせたシン・ホワイト・デューク。晩年のボウイは両性的な人々の最古老的存在になっていた。その変化は止まることなく、一世代以上に渡り男性がいかに力強く女性らしい存在になれるのかどうかを示した。

「彼は魅力、才能、新しい種類の人格表現を体現した存在でした」とボウイへの感動的な献辞の中でシンガー・ソングライターのジャスティン・ビビアン・ボンドはこう語った。「ボウイは、自分らしい形で自己実現をすることが持っているリスクを負うよう、多くの人を鼓舞したのです」。

個人を表現することに対して誇りを持つ。この行為を彼が認めていたことは、何十年もの間、多様な人々に勇気を与えてきた。1979年に放送されたテレビ番組『サタデー・ナイト・ライブ』は特筆すべき出来事だが、この番組にボウイとドイツ人アーティストのクラウス・ノミとともに出演したキャバレーのパフォーマーでドラアグ・アーティストとしても知られているジョーイ・アリアスは、その夜のための衣装を買うようにとボウイがアリアスとノミに1000ドル渡したことが、その後の彼を永遠に変えたと語る。アリアスとノミは赤と黒のドレスを買った。ボウイはスチュワーデスが着るようなブレザーとスカートを身につけた。




Photo by: Alan Singer/NBCU Photo Bank

Translation by Yoko Nagasaka

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