キース・リチャーズのワイルド伝説19選(後編)

チャック・ベリー、キースを殴る(2014)

Photo: James Fraher/Michael Ochs Archives/Getty Images

2014年、リチャーズが自作の絵本『Gus & Me ガスじいさんとはじめてのギターの物語』の宣伝のため、『レイト・ナイト・ウィズ・ジミー・ファロン』に出演した時、番組ホストのファロンは、リチャーズがチャック・ベリーに顔面パンチを食らわせられたという痛々しい出来事について質問した。「俺は楽屋にいて、チャックは確かギャラを取りに楽屋を出ていた。チャックのギターがケースの上に載っていて、"キース、大丈夫だ。ちょっと触るだけだ"って声が聞こえてきたんだ」リチャーズはギターを手に取り、無邪気にEコードを弾いてみたという。するとベリーが怒鳴りながら入ってきて、「俺のギターに触れる奴は容赦しねえ」とリチャーズの顔面に一発放った。リチャーズはファロンに、「チャック屈指のヒットだった」と冗談を言った。


パイが好きすぎる男(1989)

Photo: Paul Natkin/Getty Images

1989年のスティール・ホイールズ・ツアーは、ストーンズ最大級のツアーとなったが、リチャーズはどんなにビッグになっても家にいるような居心地の良さを好んだ。時は12月のトロント。仕出し屋がイギリスのパブを再現し、ジュークボックス、クリケットのバット、パブの定番フードを揃えた。遅れて到着したリチャーズは、楽しみにしていたシェパーズ・パイに既に誰かが手を付けていたことに憤慨し、もう1つ作ってもらうまではステージに上がらないと言い出した。ミック・ジャガーはカンカンに怒ったが、それでもコンサートは、キースが自分用の大好物を堪能するまで始まらなかった。「今では有名な俺のツアー・ルールだ。俺の到着までシェパーズ・パイには触るな、パイを崩すな、って話だ」

Translation by Rolling Stone Japan

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