N.W.A.としてロックの殿堂入りを果たしたアイス・キューブが語る、ガンズからトランプまで

By Simon Vozick-Levinson 2016/04月号 P21〜21 |
Photo by Tim Mosenfelder / Getty Images
最近、アイス・キューブは毎日がとても楽しいに違いない。ここ数カ月のうち、かつて所属していたグループN.W.A.がロックの殿堂入りを果たすと発表され、共同プロデューサーを務めた映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』(80年代後期を中心に、ギャングスタ・ラップの道を切り開いたN.W.A.の活動を描く)は大ヒット、世界で20億ドル以上を稼ぎ出し、自身初となるコーチェラ・フェスティバルへの出演も決まった(4月8日のロックの殿堂入りセレモニーから約1週間後に開催)

「何といっても、ロックの殿堂入りするってのが最高だ」。ラッパーであり、俳優でもあるキューブは言う。「俺にとってはすごい成功だし、「ロックの殿堂」にとっても、今回の出来事は偉業といえる。だって、殿堂入りするのはロックンロールだけじゃないってことを世に知らしめるんだからな」。また一方で、キューブは映画『Ride Along 2』の宣伝活動にも勤しんでいる(同作はケヴィン・ハートと共演したバディ・ムービー『ライド・アロング〜相棒見習い〜』の続編で、キューブはアトランタ市警の刑事を演じている)。「アカデミー賞を獲るような映画が重要だった時期は終わった。本当の面白さに立ち返る時期だ」とキューブ。「俺とケヴィンは最高のコンビなんだ」

─1988年のあなただったら、今のような状況は考えられました? ロックの殿堂入りを果たす、また映画で警官を演じるなんて、当時は想像できたでしょうか。

俺が警官を演じてるなんてな。当時は映画に出るってことさえ、思いつかなかったよ。88年、俺は世界一のラッパーになろうとしていたにすぎなかった。ひとつの趣味だった音楽が仕事になった。俺たちの音楽が聴いているやつらの琴線に触れるものなのか、俺の人生はそっからどこへ行くのか全然わからなかった。

─当時のあなたは『ファック・ザ・ポリス』といった楽曲で、警察の蛮行に対しとても強く反対の声をあげていました。しかしその後も、警官が非武装の黒人を殺すというニュースが数多く流れています。そういった話を知って、どう思われますか。

俺も自分が黒人だってことを自覚させられるよ。まあ、いつもそうだけどな。ひとりの黒人として考えると、俺たち黒人はいつも戦争をふっかけられているように思える。ほんとひでえだろ。今、俺が人生で不満に思ってることがあるなんて、そんなことがあり得るものかとみんなが思っている。教えてやるよ。みんな、俺がだれか知っていて、俺の仕事も気に入っている。だから俺に親切にしてくれるんだ。そんな理由で人からリスペクトされるなんて、だめなんだよ。

─大統領選に対するお考えは。お好きな候補者はいますか。

特にはいないね。選挙はできるが、決して選べはしない。それがジレンマなんだ。「悪い」と「どちらかといえば悪い」の違いだ。

─ドナルド・トランプ氏については。

やつは金持ち白人だ。おそらくやつには、貧困層の苦しみを理解することはできない。
Translation by Shinjiro Fujita (RSJ)

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