人気ジャム・バンド、ベスト10

第6位 ワイドスプレッド・パニック


世界の人々は2種類に分けられるだろう。ワイドスプレッド・パニックに夢中になり、次のレッド・ロックスでのライヴを指折り数えているタイプとこのバンドがこの世に存在することすら知らないタイプだ。このバンドは30年に渡って定期的にツアーを行い、ヒットと呼べるような曲は一曲もないが、伝説的なライヴ演奏によってここ20年で最も成功したツアー・バンドとなった。2002年には悲劇が襲い、ギタリストのマイケル・ハウザーが癌で亡くなったが、2006年にジミー・ヘリングがバンドに加入し、素晴らしい仕事をしてバンドの遺産を引き継いだ。

第5位 デイヴ・マシューズ・バンド


デイヴ・マシューズ・バンドは、伝統的なジャム・バンドの世界から若干外れたところにいる。彼らにはラジオで大ヒットした曲があり、MTVにも登場し、少なくとも1990年代には10代の女の子のファンも大勢いた。『クラッシュ・イントゥ・ミー』や『僕と君のあいだに』といった曲を楽しみにライヴに足を運ぶ人は多いが、長時間の即興演奏に興味を持つ人はあまりいない。しかし、即興演奏は彼らのライヴ体験の一部だ。デイヴ・マシューズ・バンドは、毎回唯一無二のライヴとなるよう最善を尽くし、同じ曲でも回ごとに演奏を変えている。そして20年をかけ、ツアーで巨万の富を築いてきた。20年先も彼らがライヴを続けているだろうことは容易に想像できる。

第4位 クリーム


「ジャム・バンド」という言葉は、1960年代、クリームが短期間だが活動していた時代にはなかった。しかし、アルバム『クリームの素晴らしき世界』に収録されている『スプーンフル』の17分のライヴ演奏や、『いやな奴』の16分バージョンは紛れもなくジャムだ。別の日に録音されていたら、違った印象の曲になっていただろう。メンバーのジャック・ブルース、エリック・クラプトン、ジンジャー・ベイカーは各々が楽器のエキスパートで、クリームのコンサートは伝説となっている。クリームは1968年に解散したが、2005年に期間限定で再結成され、ロンドンやニューヨークでライヴを行った。ジャック・ブルースが亡くなり、その後の活動の可能性は断たれた。

Translation by Satoko Cho

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