2016年グラミー賞パフォーマンス総括:最も輝いていたのはケンドリック・ラマー

ライオネル・リッチーのトリビュートでは、巨大ネオンパネルで作られたライオネルがステージに登場し、85年の雰囲気が物の見事に作り出されていた。全てのステージが、同じように装飾されるべきだと思えたほどだ。司会を務めたLL・クール・Jが、誰もが愛するライオネルの「人生は最高で、荒っぽくて、そして甘い」の一節を歌い、トリビュート・パフォーマンスへとつなげた。(「夢を見た、素晴らしい夢を見た」と続けなかったのが、非常に残念だ。)デミ・ロヴァートは無難に『ハロー(心の扉)』を歌いあげたが、ジョン・レジェンドの『イージー』は曲のファンキーさが失われて、マイク・パットンが歌っているのではないかと思えた。そしてタイリースの『ブリック・ハウス』は、ロング・アイランドの披露宴から6時間も抜け出せないでいるような退屈な仕上がりとなっていた。ミュージシャンたちのパフォーマンスを観客席から見守っているライオネルというと「待ってくれよ。俺が実際にここにいるって、知ってるんだよな?これって、追悼トリビュートじゃないよね?」と言いたげだった。しかし彼がステージに上がり『オール・ナイト・ロング』を歌いだすと、まるで日曜日の午前中のように全てが穏やかになった。このライオネルのトリビュートでは、『ブリック・ハウス』を口ずさむジョージ・クリントンや『オール・ナイト・ロング』でノリノリなデイヴ・グロールなど、この夜一番の観客席で歌うアーティストを捉えたショットを見ることができた時間でもあった。


ライオネル・リッチーをスペシャル・トリビュートで称えるジョン・レジェンド、デミ・ロヴァート、タイリース・ギブソン、その他アーティストのパフォーマンスをチェック。

Translation by Miori Aien

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