ホリエアツシ、地元長崎へ捧げる「反戦」ソング

By Joe Yokomizo 2015/07月号 P112〜116 |
Photographs by Maciej Kucia (AVGVST)

─戦争というのは、もともと関心があったテーマなんですか。

そうですね。ストレイテナーで書いている曲は、実は戦争をテーマにしている曲が多いんです。明言してないだけで、生き別れた悲しみを歌っている曲は、戦争をイメージしていることが多いんですよ。

─でも僕らは戦後生まれだから、日常生活の中で戦争を意識することってあんまりないじゃないですか。ホリエさんが戦争というキーワードに最初に触れたのはいつなんですか。

小学生の時に湾岸戦争とかがあって、学級新聞に風刺漫画とか描いていました。ブッシュとフセインとゴルバチョフが出てきて、まあ、その頃から独自の考えがあったわけではないと思うんですけど、おそらくアメリカが正義だと思っていたでしょうね。

─小学生といえば、僕なんかは『はだしのゲン』がすごく記憶に残っています。

『はだしのゲン』って、小学生の頃にそうとう衝撃受けますよね。図書室にも漫画が置いてあるし。小学校を転々としたぶん、地方によって角度の違う教育を受けてきたなとは思います。長崎で受けた歴史の授業は、教師の思想がすごく偏っていて、戦時中の日本をひたすら悪く、アジアへの侵略者として刷り込まれる教育を受けていました。中学2年か3年ぐらいの時ですかね。その時は鵜呑みにして日本に対して憤りをおぼえたりもしました。それから戦争映画の影響もあります。特にテレビ映画の『私は貝になりたい』は印象に残っています。僕が観たのは所ジョージさんが主人公を演じているリメイク版なんですけど。主人公は戦争反対派なんですけど、赤紙がきて戦争に行くことになってしまう。生きて帰って来られるんですが、戦犯として処刑されてしまうという何とも悲しいストーリーで。主人公がものすごくいい人間で、どうにかしてこの人を救ってあげたいって思わされるんです。でも、結局救われない。神も仏もないのかっていう。その後、作文で戦争のことについて書いた覚えがあります。

─どんなことを書いたんですか?

内容についてはよく覚えていないんですけど、先生から『戦争についてもいろんな見方とか考え方があるから、一概には言い切れないんだよ』というようなことを言われたんですよね。結構怒りを書きしたためたような(笑)。
Text by Mari Minakuchi (RSJ)

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