野田洋次郎インタヴュー:「映画を撮影してた時期、主人公との距離が縮まって怖かった」

By Joe Yokomizo 2015/06月号 P72〜75 |
ローリングストーン日本版2015年6月号掲載(Photo by Yoshika Horita)
ローリングストーン日本版2015年6月号 アーカイヴ・インタヴュー
野田洋次郎 「あっという間に人の命が終わってしまうのなら、僕が明日やることは明確だなって」

RADWIMPSの野田洋次郎がメジャーデビュー10年目にして初の映画出演を果たした。手塚治虫原案の映画『トイレのピエタ』で野田が演じるのは、主人公の園田 宏。宏は画家の夢を諦め、窓拭きなどのバイトをして日々をやり過ごしていたが、突然、癌で余命3カ月の宣告を受けてしまう。そんな時、真衣という女子高生に出逢い、宏は恋に落ちる。そして、自らの命と引き換えに最後の作品を描き出す。

ラヴソングが溢れる日本の音楽界において、野田は人の生死について歌い続けている稀有な存在だ。本作で死期の迫る主人公を演じた野田はどんなことを今、感じているのだろうか?

─野田さんは、もともと演技には興味があったんですか?

僕自身ですか? まったくなかったです。

─(笑)10年間音楽以外の活動をしてこなかったわけですもんね。

(笑)そうなんです。

─インタヴューで松永(大司)監督が野田さんをキャスティングした理由について、「歌っている死生観が映画のテーマに重なる」からと言っていましたが、野田さん自身は今回の役についてどう思われました?

宏が置かれた状況を想像した瞬間に合点がいって、彼の全部が理解できました。どうして世界を斜めから見るのかも、好きだった絵をやめた理由も、世界との関わり方や距離の置き方も、全部合点がいって。僕は音楽が大好きで愛していて、才能を認めてもらってる状況にいる。でも28歳になるまで世間から認められずに見放されていたら、僕も宏みたいな生き方をしたんじゃないかなって最初に脚本を読んで思ったんです。僕自身もきっと、10年間音楽を諦めずにやり続けることはできなかっただろうし。僕にとっては音楽があまりにも大事だから、人の評価で自分の音楽が汚されないようにしたい。それは宏にとっても同じで、彼にとって絵を描くことは崇高なものだから、他人に汚されない状態を保ちたかったんだと思うんです。展示会をやっても、誰も絵を買ってくれないなら、自分のほうから世界を閉ざして、のらりくらりとその日暮らしのバイトをやって生きていく。そういう宏に合点がいきました。

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