カート・コバーンの知られざる素顔:映画『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』監督インタヴュー

By DAVID FRICKE
カート・コバーンとフランシス・ビーン。ブレット・モーゲンは映画『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』 のサウンドトラックがシンガーソングライター、コバーンの内なる空間を記録していると語る。 (Universal)
映画監督ブレット・モーゲンは、カート・コバーンの自宅でのレコーディング音源を使った「映画的」なサウンドトラックについて語り、全収録曲を明らかにした。

「80年代の終わりにワシントンのオリンピアにあるカートのアパートの部屋に座り、彼が創作過程を証言している。聴いている人にそんな気分になってもらいたくてこのアルバムを監督したんだ」。

HBOのドキュメンタリー映画『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』(※日本版DVDは2015年11月に発売)は、ニルヴァーナのシンガー兼ギタリストであるカートの初期の人生、スターダム、苦悩について描き、論議を呼んだ。
2015年11月13日に全世界同時発売された、挑発的でめまいを起こさせるようなサウンドトラック『COBAIN:モンタージュ・オブ・ヘック〜ザ・ホーム・レコーディングス』について、脚本家、監督、共同プロデューサーを務めるブレット・モーゲンは、ローリングストーン誌の独占インタビューでアルバムについて語ってくれた。

「様々な意味において、このアルバム展開はコンセプトアルバムのようだ」とモーゲンは続ける。「これは旅であり経験なんだ。我々は、単なる音楽的な経験にとどまらないものにしようと誓いを立てたんだ」。完全なソロのデモ、熱狂的なサウンドデザイン、そして時折入るカートの話す冷ややかな言葉など、31トラックが収録されたデラックス盤『COBAIN:モンタージュ・オブ・ヘック〜ザ・ホーム・ レコーディングス』というコラージュについてこう語る。このトラックの大部分は初期に交際していた恋人トレーシー・マランダーと暮らしていた頃にカセットに録音したものである。「これは音の実験という形で、カートのあらゆるクリエイティブな試みを賞賛しようとしているんだ」。

「僕は映画制作者だ」モーゲンは指摘する。「アルバムは映画監督が作ったものだ。だから映画的な品質を持っている」。

2014年の春、ローリングストーン誌のカバーストーリー取材のため、本作とプロデューサーの1人にしてカートの娘であるフランシスについて聞こうとモーゲンにインタビューをした。インタビュー後、監督はロサンゼルスにある彼のオフィスでテーブルに着き、サウンドトラックに入れたいと思っている生の音源を私に聞かせてくれた。

その音はしばしば混沌としていた。その中にはコバーンがプライベートで演奏したビートルズの『アンド・アイ・ラヴ・ハー』も含まれていた。取り憑かれたようなカバーだった。映画ではこの曲をコバーンが妻のコートニー・ラブと一緒に写したホームビデオのシーンで聞くことができる。そして『リハッシュ』も。ファズが乱れたように大音量で鳴り響き、アメリカ北西部で生まれたパンクのヒーロー、ザ・メルヴィンズへのカートからのトリビュートのように聞こえる。
Translation by Yoko Nagasaka

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