アルカが語る、ビョークとのコラボ、性の葛藤、衝撃的なニューアルバム

―『ストレッチ1』や『ストレッチ2』のような初期のミックステープ、そしてカニエ・ウエストとの共作曲では、アメリカン・ヒップホップへの傾倒が見てとれます。少なくとも90年代以降、ヒップホップはよりアグレッシブでマッチョ、そして虚勢に満ちた音楽というイメージが強くなっていますが、どういう部分に魅力を感じたのでしょうか?

面白そうだから少し手を伸ばしてみただけなんだ。メソッドをちょっと拝借してみたっていう感じかな。遊び心を持って何かを作り変えるっていうのがすごく楽しかったんだよ。

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「自分の才能が発揮できる場所では、自分が犠牲者だと感じたことは一度もない」 - アルカ(phto byDarren Gerrish/WireImage)

―音楽業界における男性中心主義や女性差別の風潮に一石を投じようとするアーティストたちに共感を覚えますか?

もちろんだよ。僕自身が昔そうだったんだけど、女性差別や暴力といった、ヒップホップの過激なイメージばかりに気を取られて、ラッパーたちのリリックに隠された本当のメッセージを理解しようとしない人が多すぎると思うんだ。シンガーやラッパーがオートチューンを使って音程を補正したりリズムにアクセントを加えたりと、そういう面白い実験についてはあまり語られないのにね。表面的には過激な内容のリリックであっても、実際にはすごくモラルを重んじたメッセージが隠されていたりするんだ。

Translation by Masaaki Yoshida

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