ジャック・ホワイトら、米国音楽の歴史に関するドキュメンタリーをプレミア公開

PBSで放送予定の全6回シリーズ『American Epic』で昔懐かしい音楽を演奏するアヴェット・ブラザーズ。2016年1月28日、サンダンス映画祭でプレミア公開された音楽ドキュメンタリー。 (Photo by Courtesy of Sundance)

プロデューサーのTボーン・バーネットとミュージシャンたちがサンダンス映画祭でアメリカン・ミュージックについての6回シリーズを発表

ジャック・ホワイトは、アメリカのフォーク、ブルース、カントリー・ミュージックへの自分自身のこだわりによって、アーティストとしてどの方向へ向かうのか理解している。

「ハウリン・ウルフ、チャーリー・パットン、ロバート・ジョンソンに立ち返ると、アメリカン・ミュージックは基本的にそこから始まっている。それらは歴史上で最も優れた音楽であり、今後も最高の存在であり続けるだろう」と、PBSの6時間にわたる大掛かりなドキュメンタリー・シリーズ『American Epic』の試写会直後、サンダンス映画祭での木曜日夜のステージでジャック・ホワイトは力説した。

ホワイトとプロデューサー/ミュージシャンのTボーン・バーネットは、サンダンス創設者のロバート・レッドフォードとともに『American Epic』の製作総指揮を務めた。このドキュメンタリーは、昔の録音機器がデルタ・ブルースからハワイアン、ケイジャンそしてフォークといった、さまざまな地域のサウンドをどのように保存したのか、また現代のポピュラー音楽となったものの土台をどのように築き上げたのかという話題について物語るものである。「アメリカにとっての音楽は、フランスにとってのワインのようなものであると俺は何度も言及してきた」と、バーネットはローリングストーン誌に述べた。「そういった果てしなく続く物語のひとつである」。

今回の上映はユタ州パークシティにあるエクレス劇場を満員の観客で埋め尽くし、ミシシッピ・ジョン・ハートの生涯とその影響についてのエピソードを含む45分間の抜粋部分がレッドフォードによって紹介された。ハートは1928年にレーベルのオーケー(Okeh)から数曲をリリースした後、60年代のフォーク・ムーヴメントの最中に再発見されるまでの35年間、活動を休止し小作農民として働いていた。彼はミシシッピ州の小さな町アヴァロンの自宅にいるのを若き音楽学者のリチャード(ディック)・スポッツウッドに探し当てられた。「あなたは自分がどんなに有名なのか知らないのですか?」と、この音楽学者はハートに尋ねたという。ハートはギターを持ってさえいなかった。

Translation by Shizuka De Luca

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE