細美武士インタヴュー(前編):「子供の頃の傷は乗り越えられない、生きていかなきゃいけない」

By Joe Yokomizo 2015/08月号 P27〜31 |
ローリングストーン日本版2015年8月号掲載(Photo by Keibun Miyamoto)

─ただ、さっきの話を聞いてて、「クズ」という言い方をしていましたが、社会的に成功はしてないけれど、真っ直ぐに生きている人に対するまなざしが似ていると思ったんですよ。

外的な要因ってあるじゃん。子供の頃にものすごい傷つけられたことって消えないんだよ。大人になってからのことはわりかし乗り越えられる。だけど、子供の頃は無垢だから、その時の傷は出血し続ける。さっき言ったのは、そういうことだよね。甘ったれの面倒をみたいなんて思ったことはないよ。

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─細美さんはガキの頃に負った心の傷を乗り越えられた?

そんなの乗り越えられないよ(笑)。でも誰だって人は生きていかなきゃいけないじゃん。仲間と酒を飲んでりゃ楽しいし、忘れてるんだよ。だけど、たまによくわからない行動をとる自分のことを紐解いて、「何でだろう」って思うと、根っこは、あの時のあの子がまだあそこで泣いてるからだなって思う。そういうのみんなあるんじゃない?

─その傷に飲み込まれてしまいそうなことって、今まであったんですか?

ないよ。だって、自分のせいじゃないじゃん。

─変な話ですが、死のうって思ったことってないんですか?

どうかな? 俺も、すごい鬱っぽい時もあったからね。

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