細美武士インタヴュー(前編):「子供の頃の傷は乗り越えられない、生きていかなきゃいけない」

By Joe Yokomizo 2015/08月号 P27〜31 |
ローリングストーン日本版2015年8月号掲載(Photo by Keibun Miyamoto)

─ミュージシャンになる前は、就職してたんですよね?

うん。わりかしいろいろやったよ。

─何をやってたんですか?

建築でしょ。工場勤務とかもしてたね。17か18歳の時は工場の寮に住んでた。そのあと高認とって大学出てからは、バイトしながらバンドやってたけど、さすがに借金やばくなって就職した。

─プロとして音楽をやっていこうという思いはなかった?

ないよ、そんなの全然。

─その先の人生をどうしようっていうのは?

考えてなかったけど、漫然と生きてるのはイヤだった。で、イヤなことを我慢する能力がなかった。そしたら「そんなこと言うんだったら、なんでもひとりでやってればいい」ってことを言われて。「じゃあ、やってやるよ」っていう、それだけ。

─高校を辞めたのは自分から? 

停学になって、なんかその流れで(笑)。

─音楽で食っていこうと思って学校を辞めたんじゃなかったわけでしょ?

なかったね。

─それはどこから湧いたんですか?

音楽で食っていこうなんて、本気で一度も思ってないよ。別に明日から他の仕事しなきゃなんなくなるかも知んないじゃん。俺みたいなのはなかなか使ってくれないと思うけど(笑)。

─確かに俺なら使わないな(笑)。

でしょ(笑)。

─つまり、音楽は好きだけど。

仕事っていう感覚ではやってないね。つーか何も考えてないんだよね。ただ、自分の気持ちの中で、今これをやりてえなっていうことがあるんだよ。やるべきだと思うことがある。それの理由をよく聞かれるんだけど、別にないっていうかさ。何ごとも衝動的なんだよね。後から考えれば「こういうことだったのかな」って思うけど。俺、そんなに計算できないから。来年のこともわかんないぐらいで。今もよくわかってないもん。生きていくことって何なのかとか、人生って何なのかとか。ぜんぜんわかってない。

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