ダルトンは1960年代前半のグリニッジ・ヴィレッジのフォーク・ミュージックシーンで活躍した素晴らしい歌手だが、今ではほとんど忘れ去られている。彼女の見事なしゃがれ声は澄んだトランペットのようでもある。ダルトンは自分の才能をどう生かすべきか他人の意見には興味を示さず、スタジオ・アルバムは2枚しか制作しなかった。けだるい調子の「When a Man Loves a Woman」は、1971年のセカンドアルバム『In My Own Time』に収録されている。バックバンドの演奏は綿密で揺れるような動きもあるが、ダルトンは歌詞やリズムと戯れながら、つらい心の傷を歌っている。