90年代の人気海外ドラマ、ベスト10

8位『Roseanne(原題)』

1988年秋に放送スタートした『Roseanne(原題)』は、慣習上の多くのルールを打ち破った。TVドラマ史の多くのカップルと違い、ロザンヌとダン・コナーは太っていた。彼らは金銭問題を抱えていて、子供たちを怒鳴った。有名な第1話で、ロザンヌはなぜ子供を食べる動物がいるのか分かるというジョークまで飛ばす。『ビル・コスビー・ショー』や『ビーバーちゃん』には遠く及ばないが、『ロザンヌ』が描く厳しい現実は確かにアメリカ国民の泣き所に触れた。コナー一家は本当の家族のようで、間違いなく面白い番組だった。主演ふたりはスターになり、若きトム・アーノルドも世間に認知された。最終シーズン(結局はおとぎ話だった)はなかったことにしたほうがいいが、TVで再放送されるたび、私たちはなぜこの番組が多大な注目を浴びたのか理解するのだ。

7位『たどりつけばアラスカ』

場違いな人間を描く番組は、昔からTVにつきものだ。『じゃじゃ馬億万長者』(ビバリーヒルズの南部出身者たち)や『農園天国』(南部のビバリーヒルズ住民)を思い出して欲しい。つまり、ニューヨークの医師がアラスカの田舎町に移住する『たどりつけばアラスカ』の基本設定に、これといって目新しいところはない。では、何がこの番組を特別にしたのか。それは素晴らしい出来栄えだ。ロブ・モローが医師を演じたが、“暴露”が続くにつれ、町の住民にますます焦点があてられるようになった。決して爆発的な視聴率は記録しなかったが、批評家たちに気に入られ、カルトファンを集めた。

6位『ツイン・ピークス』

『ツイン・ピークス』は、90年代に入ったばかりの4月にABCでパイロット版が放送され、Twitterがなくとも即、社会現象となった。それまで『フルハウス』や『TVキャスター マーフィー・ブラウン』ほど込み入った番組はなかったが、『ツイン・ピークス』はあえて複雑で非現実的な挑戦を試みた。物語はティーンエイジャーの少女の死から始まり、誰も予想できなかった方向へと展開した。当初は記録的な視聴率だったが、シーズン2で主要な謎が明かされ−—−—事態が何ともおかしな様相を見せ始めたあたりから−—−—視聴率が下がり、番組は打ち切りとなった。

Translation by Sayaka Honma

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