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2015年注目すべき秀逸アルバム15選 

RollingStone Japan 編集部 | 2016/02/27 17:00

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超限定版ピンク・フロイドEPと、見逃しがちな名アルバム15枚

ここで紹介するアルバムは、おそらく読者の2015年のプレイリストには加えられなかっただろう。だが、ローリングストーン誌のエディターやライターは加えるべきだと考えている、絶対に聴いてほしい15枚を紹介する。

アーミーズ 『アーミーズ』
Armies/Armies

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デイヴ・ガッターの、コーヒーと煙草に永く晒されたような、しわがれた唸り声は他に見当たらないだろう。傷つきやすい脆さから、スクリームがはじまると、凶暴で年代物のフェンダー・アンプのようなジリジリしたノイズを伴った声へと変化する。
この味わい深い声は、メーン州のファンキーでサイケなロックバンド、ラスティック・オーヴァートーンズのフロントマンとしてこなしてきた、過去20年にわたるすさまじいライヴの数々の賜物だ。ガッターは作曲家としても生計を立てている。アーロン・ネヴィルやテデスキ・トラックス・バンドの最新アルバムの曲や、ネットフリックスの番組『ナルコス』にも彼は曲を提供している。このアルバムは、控えめだが素晴らしい声を持つ、フォーク・グループ、ジプシー・テイルウィンドの友人アンナ・ロンバードと組んだもの。セルジュ・ゲンズブールとジェーン・バーキンのデュエットが頭に浮かぶほど、二人の声は完璧に調和し、悲しみ、復讐心、みすぼらしさ、卑怯さ、そして嫉妬などにかられる様々な人物を題材にした一連の曲は、絶品だ。− Patrick Doyle

ビューティ・ピル 『ビューティ・ピル・ディスクライブズ・シングス・アズ・ゼイ・アー』
Beauty Pill/Beauty Pill Describes Things As They Are

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奇妙なアート・ロックのアルバムで、バンドにとってもリスナーにとっても冒険的だ。体重5トンの凍ったマストドンについてのなぞなぞや、シンガーのチャド・クラークが植民地主義者のコーヒー・ショップで逆ブラッド・ペイズリーを演じる7分ものジャムセッションが含まれている。とはいえ、ハマりやすいアルバムでもある。ワシントンD.Cのビューティ・ピルは、リスナーをエレクトロニクスで包み込む(心臓手術のせいでクラークはギターを持てなくなっているので、ギターは部分的だ)。その新しいサウンドをバンドは意外な方法で組み込み、純粋に実験的な作品を作り出している。そのサウンドと同じように歌詞も驚きだ。『ドラペトマニア!』でクラークは、「俺の隣人のWi-Fiは今「マジック・ニグロ」って名前になっている」と歌う。「あいつの家を燃やしてやる」。一瞬止まって、「… って、できりゃな」。
− Nick Murray

ケイオス・エコーズ 『トランジェント』
Chaos Echoes/Transient

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フランスの反政府分子にして催眠術師風のグループ、ケイオス・エコーズの本業はヘヴィー・メタルだが、ヘッドバンギングの対象というよりはホラー映画で使われる不気味な環境音楽に近い。より伝統的なデス・メタルのグループ、ブラッディ・サイン出身のメンバーを含むこのバンドは、芸術的に、非常にゆっくりした速度で破滅へと迫って行くので、彼らのこのデビュー作の全編を集中しながらは、そう何度も聴けないだろう。凄いのは、現代美術家のマシュー・バーニーが就寝時にこれを聴いているそうだ。バンドは、激しく脈打つ、空気を圧縮したようなギター・リフ、邪悪な修道士のチャント、グレムリンの唸り声、クロマチック・チャーチ・オルガン、ビロードのドレープのようなアート・ノイズによる、催眠的で脈打つ規則的な繰り返しを60分の全編にわたって施している。3曲目『アドヴェント・オブ・マイ・ジェネシス』のエンディングに向けて、それはジャズ的な、狂気のサーカスの渦へと変化するが、その時点でそれほど奇妙に感じなくなっている。
− Kory Grow
Translation by Kise Imai

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