モーターヘッドのレミーが浸透させたメタル・ウムラウトとは

レミーとモーターヘッドは影響力の強い彼らのサウンドを以上に、ヘヴィメタル界でウムラウトの神聖な地位を確立させた (Photo by Jay West/Getty)

「悪っぽく見えると思った」ー今は亡きアイコンは悪名高い付加記号について、かつてこう発言した。

12月28日に他界したレミー・キルミスターは、ロックンロールに決して消えることのない痕跡を残した。彼の轟く雷鳴のような歌唱と曲作り、ドラッグと煙草漬けのライフスタイル、顔の突き出たホクロでさえ、すべてが堂々としていて妥協がない。だが、同じくらい重要なのが、レミーとモーターヘッド(Motörhead)がロックンロールに残した文法的な影響である。

そう、今回取り上げる話題はあのウムラウト、そしてロック史において最も驚くほどに不変で時には無意味かもしれない伝統のひとつを定着させたレミーの役割についてである。

もちろん、実際の発音に関係ないのにバンド名の1、2文字の上にドットをつけたのはモーターヘッドが初めてではない。おそらく60年代後半のドイツのプログレ・バンド、アモン・デュール(Amon Düül)がウムラウトを使い始めた最初の存在になるだろう。1971年、この記号をメインストリームのクロスオーバーに最初に登場させたのはブルー・オイスター・カルト(Blue Öyster Cult)だった。当時のマネージャー兼プロデューサーのサンディ・パールマンは数年前、筆者にこんなエピソードを語ってくれた。ある日、彼はロック・ライターのリチャード・メルツァーとブルーポイント・オイスター(牡蛎の品種)を提供するニューヨークのレストランの外で、バンドについて立ち話をしたという。「俺は言ったんだ、ブルー・オイスター・カルトって名前にしないか?」とパールマンは振り返った。「そしてリチャードが言った、「じゃあ俺たちは「O」の上にウムラウトをつけよう」。俺は「最高じゃん!」と答えた」。

それから数年後、レミーがサイケデリック・アートロック・バンドのホークウィンドと決別した時、彼は新しいバンドをバスタードと名づけた。だが、彼がホークウィンドで書いた曲にちなんだモーターヘッド(覚せい剤中毒のバイカーを意味するスラングでもある)という名前に最終的には落ち着いた。2文字目の「o」にウムラウトをつけたのが最高のポイントである。「悪っぽく見えると思った」とキルミスターは数年前に述べた。「そこが良いだろ」?

Translation by Deluca

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