ジ・ワンダー・イヤーズ「マイ・ラスト・セメスター」

「俺は悲しくなんかない/この場所にうんざりしているだけだ(I’m not sad anymore/I’m just tired of this place)」と、ジ・ワンダー・イヤーズのヴォーカル、ダン「スーピー」キャンベルはこの2010年の曲の冒頭で、高校生活から人間が可能な限り遠くに行きたいという願望を歌っている。この卒業ソングの裏側には永遠の友情を約束するという面(「誰もお前の感傷的な戯言なんて聞きたくない(No one wants to hear your sappy bullshit)」)もある。「マイ・ラスト・セメスター」は偽の日焼けをした女子や誰かに気づいてほしくて外でギターを弾くような男子などの学校にいた大半の生徒に向けての高慢な決別なのだ。


ニコ&ヴィンス「アム・アイ・ロング」

西アフリカにルーツがあることがきっかけで結成されたノルウェー出身のデュオ、ニコ&ヴィンスは、アフロビートに影響を受けたポップソング「アム・アイ・ロング」で昨年世界的な大ヒットを記録した。独創的に考えることや目に見えない高みに到達することについて歌った歌詞は明らかにデュオの歴史を物語るものだが、野望を抱いた卒業生世代にも通じるものがある。



ナズ「アイ・キャン」

この子供たちが参加して作られた曲は2012年に発売されたナズのアルバム『ゴッズ・サン』に収録され、気分を高める歌と訓戒的な話が半々で、アフリカの歴史の概要を説明しながら、「ゲットーの子供たちがすべきこと」をナズが教えてくれる。「俺も娘がいるから、こういう歌は助けになる」と、ナズは2007年ローリングストーン誌に語った。「娘がもっと小さい時は彼女に聞いてほしくないような音楽をたくさん作ってきたので、今は娘たちにその子に合った本物の何かを与える義務がある。大事にしているものや、自分が1人の人間であることは見せたいが、近所で日常的に起こっていることについて歌う曲を与えるつもりはない」

Translation by Deluca Shizuka

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