INORANロングインタヴュー:ルーツを探る

By Joe Yokomizo 2015/10月号 P118〜116 |
Photograph by Naoki Ishizaka
INORANと出逢って4年ほどが過ぎた。出逢いは本誌でのインタヴュー。取材が決まった時、正直、それほど乗り気がしなかった。ありていに言えば僕は洋楽ロック信奉者で、日本のビジュアル系といわれる音楽には無縁の音楽人生を送ってきた。

ところが、届いた音源を聴き、想いは変わった。分厚いグルーヴ感満載のロックンロールで音源を聴いていて、体を揺らす自分に気づいてしまった。さらに耳を澄ますとINORANの出す音からは風を感じることができた。それは僕が大好きな音像で、そんな音を出せるミュージシャンに会いたくなった。本人に会うと、ますますヤラレた。正直、お高くとまったナルシストを想像していたけれど、話すとどこまでも気さくで、しかも僕も含め取材スタッフに気を遣ってくれる。それも嫌らしい気の遣い方ではないし、上っ面でもない。LUNA SEAの事務所の社長、阪上正敏が今回の取材で言っているがINORANは何をしたら相手が喜ぶかをいつも考えてくれている。そういえば最初の取材の後に入った蕎麦屋でINORANに遭遇した。確かそこで「次に会う時は呑みましょう」と声をかけてくれて、しかもその約束は時間を空けず、僕が仲間と呑んでいる場所にINORANが駆けつけるという形で実現した。

そこからLUNA SEAも聴くようになった。LUNASEAのサウンドは、綿密に構築された独自のものだ。そのサウンドの大きな特徴を担うのがツインギター。しかも、これが今までのツインギターとはまったく違うものだった。音楽一家に生まれクラッシックの素養もあるSUGIZOが弾くドライヴ感のあるロックンロールなリードギターがある。それとは真逆のINORANの、クリアトーンのアルペジオのサイドギターが、対になってサウンドを支えている。バンド始動当初の89年ぐらいから、二人のギタリストはその役割をパックリと分け、唯一無二のサウンドを構築してきた。ではどうやってその役割分担を決めたのか? INORANは、「たぶんSUGIちゃんが先にあっちをやりたいっていったんだと思う。今と一緒だね」と笑って教えてくれた。ただ、パートを分けることはSUGIZOを含めメンバーで話し合って決めたことらしい。

例えば、LUNA SEAの、そしてINORAN自身が作曲した代表曲「gravity」( 2000年)はINORANの作曲家としての才能とクリアトーンのアルペジオがいかんなく発揮された曲だ。「サイドギター、INORAN前後」という言葉があるほどINORANの出現によってサイドギターの概念が変わり、クリアトーンのアルペジオを弾くサイドギターを志すフォロワーをたくさん生んだ。

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