ボウイの1970年のアルバム『世界を売った男』は、タイトルトラックが最も有名だ。しかし、熱狂的ファンならいちばん最初に収録されている8分の楽曲こそが、アルバムのベストソングだと確信している。素晴らしい原石の可能性に気づいていたボウイは、数カ月かけてじっくりと壮大な名曲に仕上げていった。初期のバージョンは、コンピレーションアルバム『デヴィッド・ボウイ BBC セッションズ』で聞くことができる。完成版で、ボウイは新しくギタリストとして迎えたミック・ロンソンとともに、真の実力をようやく世界に証明した。『円軌道の幅』は当初、それほど世間の注目を集めなかったが、2年後のジギー・スターダスト・ツアーで、ボウイは15分に及ぶ圧巻のパフォーマンスを見せた。