マリリン・マンソンが追悼文を寄稿:「デヴィッド・ボウイは僕の生き方を大きく変えた」

マリリン・マンソンはデヴィッド・ボウイに心に迫る追悼の言葉を捧げた。 (Photo by Michael Ochs Archives/Getty, Mick Hutson/Redferns)

「ボウイの曲はどれも僕にとって他の人とコミュニケーションをとるためのものだった」とマンソンは記す。
「彼の曲は鎮静薬であり目覚めだった。僕が決して書くことのできないラブレターだった」

日曜日(US時間)にデヴィッド・ボウイの死が発表されたことで音楽界は大きな衝撃を受けている

デヴィッド・ボウイの演劇的な天賦の才能と伝統にとらわれない部分に大きな影響を受けた、ミュージシャンにしてパフォーマーでもあるマリリン・マンソンは、逝去したロックのアイコンに向け、心に迫る追悼の言葉をローリングストーン誌へ書き記した。
初めて『ダイアモンドの犬』を聞いてショックを受けたとき以来、ボウイの音楽がいかに自分の人生を永遠に変えたのかを表したものだと語った。
僕がデヴィッド・ボウイに初めて出会ったのはMTVで『アッシュズ・トゥ・アッシュズ』を見たときだった。僕は戸惑い、そして魅了された。
でも1997年頃に初めてちゃんとロサンゼルスに住むまで『ジギー・スターダスト』『アラジン・セイン』や『ハンキー・ドリー』以外の作品を聞くように言う人はいなかった。そう言われた僕はめまいがするような気持ちでハリウッドヒルズを車で走りながら『ダイアモンドの犬』を聞いたんだ。
僕のノスタルジックな気持ちは一瞬のうちに畏怖へと変わった。ボウイが彼のむき出しのソウルを見せるための仮面として、フィクションを歌っているように僕には聞こえた。
デヴィッド・ボウイは僕の人生に終始に消えることない影響を与えた。

ボウイの曲はどれも僕にとって他の人とコミュニケーションをとるためのものだった。
彼の曲は鎮静薬であり目覚めだった。僕が決して書くことのできないラブレターだった。
そんなボウイの曲は、声とギターで描かれた映画のサウンドトラックとなり、今もそうあり続けている。

「希望、それは安っぽいものさ」と、ボウイは歌った。

彼の持っていた、触れてはならないカメレオンのような、独創的な美しさに匹敵するような場所へたどり着く道をボウイが発見したか、僕は知りたいとは思わない。宇宙に存在する『ブラックスター』、彼のいる場所はそこだけだ。

彼を失ったという恐怖を乗り越えるためには、彼が我々に与えた衝撃をもって迎えるしかない。彼の音楽を聴き、愛した人は幸運だ。
彼が僕たちに与えてくれたものを、決して手放してはいけない。


マリリン・マンソン

MM

Translation by Yoko Nagasaka

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