12人が語るhide:小室哲哉 x I.N.A.「hideがいてくれたからこそテクノロジーが追いつけた」

By Joe Yokomizo 2016/02月号 P36〜39 |
hide photo by ©HEADWAX ORGANIZATION CO., LTD. Photograph by Hideo Canno (CAPS)
特集:12人が語る普遍のクリエイティビティ
Chapter 10 小室哲哉 x I.N.A.
hideが進化の入り口にいてくれたからこそテクノロジーが追いつけた

かつてhideが自身の音楽を称した〝PSYBORG ROCK(サイボーグロック) 〟という造語は、「人間のグルーヴを機械で切り刻み完全制御する」という定義の基にある。それは当時行われていた音作りの方法論のひとつであったというが、後にその言葉は独り歩きを始め、今や邦楽シーンにおける最新テクノロジーを用いたロックの代名詞となっている。

ボーカロイドの技術を基に、hideの右腕的存在であるI.N.A.のプロデュースワークの融合により完成した奇跡の新曲「子 ギャル」、3DCGライブホログラフィック公演などの新しい試みを通じて人々に強く息づいている。

もしhideが現代にいたら、この進化をどのように見て、楽しんだのだろうか。また、その先の未来をどう見据えたのだろう? hideと長年音楽制作をしてきた共同プロデューサーのI.N.A.と、テクノロジーを用いた現代音楽の立役者である小室哲哉が〝PSYBORG ROCK 〟と〝テクノロジー〟をキーワードに、想像を膨らませながら語り合った。


I.N.A.
「“PSYBORG ROCK” が具体的にどんな音楽かというと、90年代のインダストリアル系の音をプロトゥールスを使って編集していくような、いわゆるデジロックの類ですね。当時、日本でそういう音楽を取り入れている人はあまりいなかったのと一般的に言われているデジロックとは違う、hideオリジナルのサウンドだということを含めて “PSYBORG ROCK” と言っていました」

─生音を録って、PCに取り込んで編集するといったような?

I.N.A.
「そうですね。“打ち込みと生音をどうやって共存させていくか”という課題に対してミュージシャンたちが何十年も試行錯誤してきているなかで、ロックというカテゴリで打ち込みと生音を融合させた、ひとつのサウンドを確立することが出来たかなと思っています。

─取っ掛かりは何だったんですか?

I.N.A.
「ソロデビューが93年で、音自体は92年くらいから作り始めていたんですが、その当時デジタルパフォーマーという4トラックのハードディスクが出たばかりで、それを使ってプリプロしたり、曲を作ったりしてたんですよね。彼が新しいもの好きだったので、そういうコンピュータを使った作業を早い段階からしていて。そこから始まって、テクノロジーの進歩とともにやり方もどんどん複雑になってきて……といった感じです」

─なるほど。

小室
「たぶんその頃だったと思うけど、LAでケミカル・ブラザーズのライヴを観に行ったんですよ。そうしたら、たまたまhideも来ていて。あまり面識はなかったので話しはしなかったけど、“あ、こういうのも見るんだ”って思いましたね。当時デジタルを使ったロックがシーンが盛り上が始めた時代だったんですけど、最新の感覚を持ったhideがいたからこそ、X JAPAN(以下X)の音楽も幅が広がったんじゃないかな」

I.N.A.
「確かに、hideがデジタルサウンドに目をつけはじめてから当時作っていた『DAHLIA』あたりからXのサウンドにもそういった要素を取り入れていったように思います」
Text by Rika Suzuki

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