ラナ・デル・レイ『ハネムーン』に隠されているもの

ギャングスタスタイルのナンシー・シナトラの復活

ブルックリンで花の冠を被った少女とはお別れだ。そして新兵よ、こんにちは。ラナは自分のことを「ギャングスタスタイルのナンシー・シナトラ」と称する。そして2012年のファーストアルバム「ボーン・トゥ・ダイ」、そして続く「パラダイス」も引き続き大胆なヒップホップから影響を受けていることを認めている。しかし次のアルバム「ウルトラヴァイオレンス」は前作の音とは違っている。今回の「ハネムーン」では彼女はリック・ノウェルズとキウロン・メンジーズをプロデューサーに起用した。2人ともこれまで「ヤング・アンド・ビューティフル」を始めとする楽曲で彼女と仕事をしている。ラナはまた“足を取られるぬかるみのようなエネルギー”を持つ曲を期待しているとも言っている。

特にファーストシングルとビデオ「ハイ・バイ・ザ・ビーチ」について


ラナは「Beats1」のインタビューを受けたとき8月10日にリリースされた「ハイ・バイ・ザ・ビーチ」は、トラップの影響を受けているボーカルがゆるく続く、アンドリュー・シスターズの旋律を持つ曲だと語っている。「真実は/私があなたのデタラメを受け入れたことなんてなかったということよ/あなたが私に敬意を表したときにね」と彼女は慣れたアンニュイな調子で歌う。ジェイク・ナヴァが撮影したビデオで、ブラウンの髪を下ろし、服をはためかせ、雑誌を燃やすラナはまるで海辺にいるプリシラ・プレスリーのようだ。正体不明のヘリコプター(ロシア? パパラッチ? それともマーク・ロンソン?)が彼女の部屋の窓の外を旋回している。彼女は誰もいない家の中を歩き回った後、ギターケースからマシンガンを出し(バイオリンのケースにしては大きすぎる)、ヘリコプターを狙撃する。まさにギャングスタだ。

Translation by Yoko Nagasaka

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