12人が語るhide:生田斗真「あの不良性とか凶暴性みたいなことにすごい憧れてた」

By Joe Yokomizo 2015/12月号 P30〜30 |
hide photo by ©HEADWAX ORGANIZATION CO., LTD. Photograph by Hideo Canno (CAPS)
特集:12人が語る普遍のクリエイティビティ
Chapter 05 生田斗真

─今のご自身の仕事とhideさんがクロスする部分ってあるんですか?

そうですね。すごく勇気をもらうのは、音楽的にもヴィジュアル的にも奇抜だしマニアックだけど、hideさんが表現することによってポップになるっていうか。僕も俳優業をやっていて、地味なわけですよ(笑)。役作りとか、誰にも気づかれないようなことを細々とやって、それが大きな作品になっていく。どれだけマニアックなことをやっていても、ポップにしてたくさんの人に見てもらって、理解してもらわなければ意味がないと思うんです。そういう部分はすごく影響を受けていますね。背中を押される感じというか。

─ああ。


hideさんもとても細かいじゃないですか。そういう影の努力を見せずにステージに立ってる姿とかを見ると、とても力をもらいます。I.N.A.さんとずっとスタジオにこもって作業をしていたとかって話を聞くと『hideさんも真面目だったんだ!』と。こういう人たちを見ると、真面目な自分が嫌になったりするでしょ?

─いつも酒飲んで暴れてるみたいな?


そうそう。でも実はスタジオにこもって細かい音のやり取りをしていたっていう話を聞くと『真面目でいいんだ』って(笑)

─ものづくりに関してはすごくストイックだったらしいですからね。


日本語の歌詞でロックをしてるのも好きなところですね。四文字熟語が出てきたりとか、破裂音みたいな“べちょべちょ”とか“ぐちょぐちょ”とかいう音を音楽にのせて、『日本語はすごいかっこいいんだよ』っていうのを提示していた。日本人であることを諦めていないというか。日本人として誇れるアーティストだなと思います。

─ちなみにベストソングは?

超難しいっすね。ポップなのも好きなんですよ。“ピンク スパイダー”とか“ TELL ME” とか。あとは破壊モードのものも好きで。「DOUBT」 とか。Mステに出た時とか超カッコよくて。真っ白のセットで白い服を着てるんですよ。最初は“ TELL ME” からはじまって、その後に「DOUBT」 のイントロがかかって真っ黒な雨バがーって降ってきて白い服が真っ黒になっていくんです。Spread Beaverのメンバーもギターをぶっ壊したりして、すげえなみたいな。やっちゃいけないことをやってくれるというか(笑)。衝撃でしたね。黒い雨の時、演奏後にMステのテーマ曲が流れている時もカメラがまだ追ってたんですけど、hideさんが黒い雨の中を泳いでたんです。その2面性っていうのかな、さっきまで暴れ回ってた人がかわいらしく動いてるのがいやらしくないし。何をしても下品じゃないんですよね。

─確かに。

今思うと、やっぱりあの不良性とか凶暴性みたいなことにすごい憧れてたんだろうなと思いますね。自分のなかに溜まってる怒りなのか、もっと外に飛び出したいエネルギーみたいなものを、hideさんに投影していたような気がします。すごいスーパースターだったけど、すごく身近に感じられる。高校の2個上の先輩みたいな感じでしたね。いろんなインタヴューとか読むとhideさんってすごく酒癖が悪くて暴れまわってたらしいけど、みんなそれをうれしそうに語ってるじゃないですか。俺、普通に嫌ですよ、呑んでるときに暴れられて、喧嘩とかはじめられたら。その時は迷惑してるんだろうけど(笑)、なんかhideさんだから許せるみたいな感じがあるのかなって。それが何なのかなっていうのは考えますね。

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TOMA IKUTA

生田斗真 ○ 1984年、北海道生まれ。ドラマ『花ざかりの君たちへ 〜イケメン♂パラダイス〜』で注目を集める。2010年の初主演映画『人間失格』、続く『ハナミズキ』での演技が高く評価され、第84回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞、第53回ブルーリボン賞新人賞を受賞。現在、主演映画『グラスホッパー』が公開中。

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