Ken Yokoyamaインタヴュー前編:「今の政治というより、安倍さんが気持ち悪い」

By Joe Yokomizo 2015/10月号 P26〜33 |
ローリングストーン日本版2015年10月号表紙巻頭インタヴュー (Photo by Yoshika Horita)
ローリングストーン日本版 アーカイヴ・インタヴュー
2015年10月号 表紙巻頭インタヴュー Ken Yokoyama
安倍さんが言う「美しい日本」と俺らの思う「美しい日本」は違う


日本において、圧倒的なパンク・ヒーローであるKen Yokoyama。彼のルーツ・ミュージックが満載に詰め込まれたニューアルバムのタイトル『SENTIMENTAL TRASH』=“センチメンタルなクズ野郎”とは、どうやら自身のことらしい。

収録曲の「Yellow Trash Blues」では、自分のことを“オレはステージに立てば みんなの憧れになる でもそのへんにいる時は ただの浮浪者さ 45歳にもなって ギター弾いて ブカブカのズボン履いて 刺青入れて”とセンチメンタルに歌っているが、“プライドとアティチュードは持ってんのさ”(共に邦訳)とも言っているように、アルバムを通してそのプライドとアティチュードは貫かれている。 今までさまざまなところで彼が語ってきたとおり、政治のことと、チンコ、マンコのことを同列にしっかり歌う。しかも、それが理屈っぽくなく、直感的で、丸腰で叫んでいる。インタヴューもアルバム同様に、Kenのルーツにある音楽から(P34〜35掲載)、政治のこと、チンコのことにまで話は及んだ。閉塞感が充満する2015年の日本において、そんな彼の言葉には、その閉塞感を打ち破るほどの誠実さとバカバカしさがある。読めば、きっと胸がすくはずだ。そして、Kenの発言には我々が忘れそうになっている大事な何かがいつもある。

─先ほどの国会議事堂前での撮影は、天気も何かを象徴しているようでしたね。

すごい空でしたよね。上半分は雨雲が来てるけども、下半分は青空ではないけど少し晴れつつあって。雨が降ろうとしてるのを民意が止めているみたいなね(笑)。

─そんな今の日本を象徴した空を呼び込む、KenYokoyama(笑)。

ハハハ。

─そんなKen さんの新譜『SENTIMENTAL TRASHを聴いて2つのことを感じたんです。1つはKenさんの音楽のルーツの豊かさ。もうひとつは、無防備さというか。最後にクラッシュも『スーパー・ブラック・マーケット・クラッシュ』でカヴァーしていた「Pressure Drop」が入っていて。あのアルバムは、ドン・レッツが一人で警察隊に向かって歩いていく写真がジャケットでした。以前、ドン・レッツにインタヴューした時、『あの時、俺は音楽をまとっていれば何も怖くないと思っていた』みたいなことを言っていたんです。今回のKenさんのアルバムから同じものを僕は感じて。“ロックンロールさえまとっていれば何も怖くない”って感じで、一市民として、あるいは親として、男として、ミュージシャンとして、丸腰でいろんなことを宣言したり、世間に問うたりしている。その無防備な感じが、僕は強く共感できたんです。

ありがとうございます。確かに、僕は一市民だけども、ロックンロールさえあれば、たとえ自分がやられようと別に怖くない、ぐらいな気はありますね。だからロックンロールは武器なんだよね。

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