『スター・ウォーズ』キャラクターランキング ベスト50|2018年度改訂版

20位 チアルート・イムウェ


「フォースは我とともにあり、我はフォースとともにあり」。
おなじみの「フォースとともにあらんことを」というキャッチフレーズを言い換えて、祈りのように唱え続けた盲目の戦士チアルート・イムウェは、いかにもスター・ウォーズらしい芯の通ったキャラクターとしてファンのハートをつかんだ。古代寺院でジェダイたちを警護していた彼は、はるか彼方の銀河系の人生アドバイザー以上の存在感がある。盲目でありながら武術の達人、デアデビルさながらの戦闘技術を備え、たった1人の味方とゆるぎない信念を武器にストームトゥルーパーの軍勢を叩きのめす(彼を援護する良き相棒ベイズ・マルバスの存在も見逃せない)。「能ある鷹は爪を隠す」を地で行くような人物だ。『ローグ・ワン』のラストで彼が見せた自己犠牲は、ダース・モールに次ぐライトセーバーの達人が二度と戻ってこないことを意味するが、いやいや、ファンは「まさか」を期待している。

19位:皇帝

Photo:Everett Collection

新三部作は、アナキン・スカイウォーカーが堕落していくストーリーより、むしろカルト的な信仰の謎に包まれたリーダーが共和国を内部から破壊する様を描いている。”ダース・シディアス”の名で知られる元老院議員のシーヴ・パルパティーンの印象は、旧三部作では単に”ダース・ヴェイダーの上に立つ者”だが、新三部作では、手遅れになるまで誰も気付かない邪悪な存在である。彼は良心的な政治家として表の顔を装いながら、戦争を仕掛け、クローン軍の構築を周囲に説得、最高議長として非常時大権を手に入れ、帝国を築き上げる。そしてこれら全てを合法的に行うのである。パルパティーンがヨーダに向かって議会のボックス・シートを投げつけるシーンは、全シリーズの中で最も含みのある場面のひとつだ。彼はいかに民主主義を武器として利用するかを示しながら、同時にそれを壊すのである。

18位 メイス・ウィンドゥ

Everett Collection

サミュエル・L・ジャクソンは、おそらく紫のライトセーバーを銀河系で最もクールな武器に見せることができる唯一の俳優だ。彼演じるウィンドゥのストイックな姿は、新三部作の最高の見どころだ。ジェダイ評議会で元老院議員のパルパティーンに不信を抱くのはごく少数のメンバーだったが、その智勇に優れたジェダイマスターの中でメイスは、『ファントム・メナス』でアナキンの運命を予言したり、『シスの復讐』でシス卿の将来の命運を決定づけるなど、それぞれのエピソードで重要な役割を果たした。サミュエル以上にこの役をクールに演じられる人がいるとすれば、トゥパック・シャクールぐらいだろうか。

17位 グランド・モフ・ターキン

Photo:Everett Collection

『新たなる希望』では、グランド・モフ・ターキンが物語の中心的な悪役であって、ダース・ヴェイダーはただ仕えているだけに見える。 ルーカスは自身のSF大作に無名の役者をキャスティングすることが多かったが、彼の大好きなハマー・フィルム・プロダクションの常連だったピーター・カッシングをこの厳しい司令官役に起用した。賢い選択だ。 彼の洗練された態度と高い鼻、突き出た頬骨といったエレガントな特徴は、レイア姫と対等に渡り合い、”英国的な横柄さで周りに接する”役柄としてうってつけである。 ターキンは常に自信に満ち、多少独善的だが威厳のある態度を貫いた。反乱軍によって愛するデス・スターとともに滅ぼされるまでは。

16位 チューバッカ

Photo:Everett Collection

癇癪持ちだが、忠実な相棒の典型ともいうべきウーキー族のチューバッカ。敵から身を隠している時、あるいは、ミレニアム・ファルコン号に乗船している時、隣にいて欲しいのはチューバッカである。観客は彼が何を話しているのかわからない。しかしそれがこのキャラクターのアピールといえよう。スター・ウォーズの世界では誰もがチューバッカのうめきやうなり声を理解し、とても心地のいい方法で、この映画を銀河系が多様的でマルチカルチャー、かつインクルーシブな社会であることを実にうまく表している。皮肉にも、登場人物の中で最も背が高く恐ろしい野生動物である彼は、実は最も心優しいキャラクターなのである。『帝国の逆襲』でハンがカーボン凍結にかけられた時、チューバッカが悲痛な叫び声を上げるシーンは忘れがたく、胸が張り裂けるような気持ちにさせる。彼は親友を失い、我々は彼の痛みを感じるのだ。

Translation by AKI URUSHIHARA and Akiko Kato

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