『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』今年最大の話題作の裏側に迫る(前編):J.Jエイブラムス、出演者が語る制作秘話

エイブラムスはルーカスとスピルバーグの作品を見て育った。そのためファン心を抑えることができない瞬間もあった。「初めて3POに会ったときの J.Jは」とアンソニー・ダニエルズは語る。「まるで夢中になっている小学生の男の子のようだったよ。そういうエネルギーと喜びを体験すること、そして自分の目の前にこの作品のすべてを引き受けるという勇気を持った人がいるのは、僕自身の—そしてもちろん3POの—自尊心を満たしてくれた」。

上映室でエイブラムスはスピーチを終えようとしていた。「ジョージ・ルーカスが作り上げたこの作品に対する情熱の炎に再び火をつけようとしていると考えるのは極めてエキサイティングだ。これは僕にとって名誉なことだ。すべての仕事にとても感謝しているよ」。そこにいた人々は拍手をし、ライトが落とされ、この作品の「ほんの一部分」の上映が始まった。しかし悲劇的なことに、訪れていたジャーナリストたちは部屋から出されてしまった。

その数日前、ハリソン・フォードは私がデジタルレコーダーを2つ並べるのをちらりと並べ、あの見覚えのある唇を歪めるやり方でにやりと笑った。「同じものを2つかい?」と彼は尋ねた。

実はスプリングスティーンのインタビューのときには3つ使ったんです……。

「僕の機嫌を損ねたな」とフォードは笑い方と同じくらいおなじみの、皮肉っぽい口調で言い、ビバリー・ヒルズ・ホテルのスイートルームで椅子に寄りかかって座った。そこに座っている彼は映画フィルムのプリズムだった。角度によって、彼が演じたそれぞれ違ったキャラクターに見えるのだ。彼はこの地球上、いや、いかなる惑星でも最も風貌のすぐれた73歳だろう。彼の外見はこれまで同様シャープで、体はおかしなほど鍛えられていた。「70歳代の自分がこんな風になっているとは思わなかった」と彼は言う。「鏡を見ると、まだ茶色い髪があるんだから」。

彼の髪は実際には銀髪で、彼がそのときボタンを一つ余計に外して着ていたアイロンの効いたメタリックグレーのシャツとほぼ同じ色だった。彼は人を虜にするほど情熱的な目で相手をじっと見つめ続ける。エイブラムスでさえ、彼のことを「威圧的だ」と称するほどだ。(「私は彼の目線の中に入らないようにしているの」とキャリー・フィッシャーは笑いながら言う。「朝早いときを想像してみて」。)彼はいまだに素早くパンチを繰り出して、相手の鼻を折ることができるように見える。先に引き金を引くタイプに見えるのだ。

Translation by Yoko Nagasaka

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