『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』今年最大の話題作の裏側に迫る(前編):J.Jエイブラムス、出演者が語る制作秘話

フォードがブラスターを撃ち、宇宙船を操縦することを密かに愛しているという結論に行き着くのは難しいことではない。「なぜ好きじゃいけないんだ?」とハミルは尋ねる。(しかし、フォードが帝国のセットの中でプラスターを無くし、ファルコンのコントロールパネルを手ノコギリで切らなくてはいけなくなったことがあった。「その音でちょっとした人を集めることになった。みんな口を開いていたよ」とフォードは笑いながら思い返す。「何が起きたのか覚えていないんだけれど、何か家に帰りたいと思うようなことだったよ」)

つい最近、フォードはある制作会社のオフィスでレイア姫役のキャリー・フィッシャーにばったり遭遇した。「彼をハグしようと思って彼に近づいていったの」フィッシャーは言う。「そのとき彼は新しい映画のセリフを言ったの。この作品よ! そのときはすぐにそれがわからなかったの。なぜならとても自然だったから」。ハリソン・フォードがスター・ウォーズのセリフを引用する?「みんなが引用できる前によ!」

デビー・レイノルズとエディ・フィッシャーを両親に持ち、ショービズ界の家庭に生まれた彼女は、実際撮影所で育ったようなものだった。彼女はすぐにフォードが持っているものを認めた。「彼はセットのバーに座っていたの。あのバーはなんて呼ばれていたかしら?」彼女は酒場で流れるジャズをほんのすこし口ずさんだ。「スペンサー・トレイシーやハンフリー・ボガートを思い出した。最高よ。人の注目を集める存在。私は自分にはそういうものがないのを知っていた。そしてマークも—私と同じ」。

フォードは『スター・ウォーズ』の物語がファンの人生に与える効用について話すのが好きだ。それはほとんどロマンティックと言えるくらいに、ロマンティックさを欠いている。「僕は役に立つものでいることだけを考えている」とフォードは言い、このときたった一度だけ目線を外した。「僕はコンサベーション・インターナショナルと仕事をしている。それに飛行機の中でさらにシンプルに、止むに止まれぬ形になる。“この瞬間にやらなくてはいけないことはなんだ?”って」と言い、彼は一息入れた。彼のタイミングはいつも完璧だ。「エンジンが止まったときでもね」

ー後編へ続くー

Translation by Yoko Nagasaka

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