『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』今年最大の話題作の裏側に迫る(前編):J.Jエイブラムス、出演者が語る制作秘話

フォードは9か月後、操縦しているヴィンテージの飛行機のエンジンが故障したときにエイブラムスの意見が正しいことを証明してみせた。彼は大胆に飛行機をカリフォルニアのゴルフ場に胴体着陸させ、彼以外にけが人を出さずに乗り切ったのである。彼は骨盤と、反対側の足首を骨折した。フォードは首を振る。「またこんなことが起きるのか? 治ったばかりだった。治ったところだったんだ。僕はテニスをして、マウンテンバイクに乗って戻って来たところだった。5回転倒したけれど、その度にバイクに乗り直し “なんて素晴らしい天気なんだ。この美しい、光り輝く飛行機で出かけよう”と思った。そのフライトが本当についてないものになった」

顔をしかめることなく、彼が身をよじって笑ったとき、彼は怪我をした様子を微塵もみせなかった。彼は超人なのだろうか? 「僕を信じてくれ」と彼は痛みの数か月をどうにか伝えようと力を込めて見つめた。「僕は超人ではないよ」彼は微笑みを浮かべた。「でも僕はなぜだか非常に幸運なんだ。運に見放された男としてはね」。

最初、フォードはハン・ソロの外見を作り上げるのにやらなくてはいけないことがたくさんあった。例えばコスチュームにはちょっと間抜けに見えるピーターパンカラーの襟がつくはずだった。「薄緑がかったブルーだった」とフォードは振り返る。「僕は“これは貼り付けてあるのか?”と尋ねたんだ。彼らがそうだと答えるから、こう言った。“この馬鹿げたものをとってくれ。僕が対応するから”ってね」。『帝国の逆襲』で彼と監督のアーヴィン・カーシュナーは日常的にカスダンの書いた会話を見直した。そうして生まれたやりとりの中で一番有名なものはレイア姫の「愛している」と言う言葉に対する「わかっている」という返事だ。

「若い俳優だった僕は黙ってセリフを言え、と言われていた」とフォードは振り返る。「しかし、クソみたいなセリフを書くことができたからといってそれが一番いい表現方法であるとは言えない」(彼がルーカスに言ったと伝説になっている「このクソみたいなセリフを書くことができても、言うことは君にはできない」という言葉を彼はこう言い換えた。)

starwarsDavid James/© 2015 Lucasfilm Ltd.

Translation by Yoko Nagasaka

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