「The Shade」で“すべてが欲しい!”と歌うエミリー・ヘインズ。こういった率直さは、彼らの10年にわたる活動を総括するのに適していると言えよう。その間、彼らの音楽は大きく変化した。本作でのヘインズの歌はシャープではあるが、どこか不安げで疲れている。本作のなかで最も秀逸な「Lie Lie Lie」では、彼女がディラン・トマスの一節“rage against the dying of the light(消えゆく光に憤怒せよ”)”を引用し、ごまかしや性差別を痛烈に批判する。そして実際に怒り狂うことで、自らの思いを我々に強烈に叩き込むのだ。

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