エレファントカシマシの“MASTERPIECE”

By RollingStone Japan 編集部

去る6月28日、Zepp TokyoでエレファントカシマシCONCERT TOUR 2012“MASTERPIECE”のステージを観た。

ツアータイトルが示す通り、5月末に発売になったニューアルバム『MASTERPIECE』を引っさげてのツアー。このアルバムが完成した時に、本誌6月号にて宮本浩次のインタビューを掲載した。そこで本人も言っていたが、今作はタイトルが示す通りエレカシにとってのまさに最高傑作。それが意味するのは、単に素晴らしいアルバムが出来たという類のものではない。過去のエレカシのアルバム達がまるで地層のように存在し、そこに支えられこのアルバムが凛とし、美しく、激しく輝いているということ。刹那的な傑作というものではなく、長い時間があったからこそ、その時間の堆積、歌ってきた歌声の堆積、感情の堆積があったからこそ、積み上がった頂き。それ故の最高傑作ということだ。宮本はこのアルバムで表現できた歌声で、何気ない日常を紡いだ歌に込められた、なんとも言えない素敵な気持ち、それをバンドサウンドと共に宮本の声が歌いきっている。アルバムを耳にした者は、宮本の圧倒的な説得力のあるボーカル力に心震えたに違いない。そのアルバムを引っさげてのライヴとなれば、否が応なしに期待は高まっていた。

19時開演の定刻をやや過ぎ、メンバー(宮本浩次<Vo/Gt>、石森敏行、高緑成治、冨永義之、藤井謙二)が登場しライヴがスタート。1曲目は静かに「大地のシンフォニー」からの幕開け。アルバム『MASTERPIECE』を象徴するようなこの曲に、このアルバムで極まった宮本のボーカルがライヴで乗っかる。その歌声は迫力というよりも深い。ひたすら深い。宮本のその深いボーカルに吸い込まれていく自分がとてつもなく気持ちがいい。続いて披露されたのは88年のセカンドアルバムから「優しい川」。この曲におけるボーカルも圧倒的だった。以下、ニューアルバムからの曲を中心に懐かしいナンバーも交えながらライヴは進行。いつもは“エブリバディ~!”の宮本掛け声などがあるが、この日はひたすら歌と演奏に打ち込む。曲の度に宮本のボーカル、そしてサポートギタリスト藤井謙二(The Birthday)を含むバンドの演奏に引き込まれる。



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